D.レーン「5戦5勝」に現実味、ダービートレーナーが送り出す話題の5億円ホースと注目種牡馬の産駒がスタンバイ

 来年の日本ダービー(G1)に向けた2歳新馬戦が先週末からスタート。3日、東京の開幕戦(芝1600m)を9馬身差で圧勝したのは、単勝1.4倍の支持を集めたモーリス産駒のシュトラウスだった。

 1986年以降、6月に行われた芝1600m以上の2歳新馬戦で2着に1秒5以上の差をつけた馬は、シュトラウスが史上初。父モーリス、母はマイルCS(G1)の覇者ブルーメンブラットという血統からもマイル辺りの距離で超大物に育つ可能性は十分だろう。

 また、翌4日の東京5Rはボンドガール、同6Rはバスターコールがそれぞれ初陣を飾った。

 前者は昨年の共同通信杯(G3)の勝ち馬で、日本ダービーでも1番人気に推されたダノンベルーガの半妹にあたる良血。後者の母は3連勝で小倉2歳S(G3)を制し、桜花賞(G1)にも出走したデグラーティアだ。両馬とも来春を楽しませてくれそうな器であることは間違いない。

D.レーン騎手 撮影:Ruriko.I

 そして上記3頭すべてに騎乗し、先週行われた東京の新馬戦を「総ナメ」にしたのがD.レーン騎手だ。

 4月半ばに開催された皐月賞(G1)の週から短期免許で騎乗しているオーストラリアの若き天才は、先週終了時点で30勝をマーク。先月末の日本ダービーもタスティエーラで69年ぶりのテン乗り制覇を達成するなど、今年も大旋風を巻き起こしている。

 そんな絶好調のレーン騎手だが、今週末にも有力新馬が2頭スタンバイ。現在絶好調といえるだけに、2週連続で東京の新馬戦を全勝する可能性があるかもしれない。

 1頭目は、10日に行われる土曜東京5Rの2歳新馬戦(芝1600m)で、同騎手が騎乗を予定しているゴンバデカーブース(牡2、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 同馬は関係者から「サンデーサイレンスの再来」とも言われている、新種牡馬ブリックスアンドモルタルの産駒。同産駒は先週テラメリタが阪神の芝1600mで一番星に輝いており、早い時期から走れることを示したのは本馬にとってもプラスだろう。

 ちなみにゴンバデカーブースの近親にあたるのが、レーン騎手とのコンビで3戦2勝を挙げ、11日のエプソムC(G3)に出走を予定しているレインフロムヘヴンだ。同騎手とは相性が良さそうな一族だけに、ゴンバデカーブースも初陣Vが期待される。

 そして翌11日の日曜東京5R(芝1800m)でコンビを組むのが、ダノンエアズロック(牡2、美浦・堀宣行厩舎)である。

 半姉に重賞3勝のプリモシーンがいるモーリス産駒の同馬は、昨年のセレクトセールにおいて有名オーナーたちが競りに競り合った末、税込み約5億円という超高額でダノックスが落札した期待馬だ。

 中間の調教でも抜群の動きを見せており、1週前追い切りに跨がったレーン騎手も「ナイスな馬です」と称賛。美浦のウッドコースで行われた最終追い切りでは、大外を回りながら先述した古馬OPのレインフロムヘヴンを煽るような走り。陣営も「順調に仕上がった」と話しており、レース当日は大注目を受けることは間違いない。

「2頭ともに注目であることは間違いありませんが、ダノンエアズロックの方は昨年のセレクトセールでノーザンファーム代表の吉田勝己氏が『今まで見たことないくらい、すごくいい馬』と話すなど大絶賛していましたね。

6月の東京・芝1800m新馬戦で勝ち上がった馬は、ジオグリフが昨年の皐月賞馬に輝いています。ダノンエアズロックも初戦を突破すれば先々がとても楽しみになると思います」(競馬誌ライター)

 いずれも名門・堀厩舎の期待馬であり、ダービーを制したレーン騎手に対する信頼の高さの表れだろう。もし連勝を決めるようなら2歳新馬戦で「5戦5勝」のパーフェクトも現実味を帯びてくる。

 ただ残念ながらレーン騎手の短期免許の交付期間は今週末でひとまず終了する。短期免許は最大3ヶ月取得可能ということもあり、残り1ヶ月をどのタイミングで使って来るのかも気になるところだ。

 また、レーン騎手のデビュー戦で騎乗した素質馬の後継騎手に堀調教師が誰を指名するのかも注目したい。

GJ 編集部

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