ディープインパクト以来「17年ぶり」優勝狙う武豊! 宝塚記念優勝馬でレジェンドが2番目に勝利数の多かった名馬とは

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 来週末に今年の上半期を締めくくる宝塚記念(G1)の開催を控えているが、前走のドバイシーマクラシック(G1)を圧勝したイクイノックスの参戦により、早くも1強ムードの雰囲気が漂っている。

 とはいえ、年によっては淋しい顔触れが話題になるグランプリも、今年はイクイノックスを含め、総勢7頭ものG1馬が集結。近年稀に見る超豪華なメンバーで争われるため、大本命が確実視される現役最強馬とて油断はできない。

 中でも武豊騎手を鞍上に迎えて出走を予定しているジェラルディーナ(牝5、栗東・斉藤崇史厩舎)は侮れない存在だ。

 宝塚記念はレジェンドが得意としているレースのひとつ。これまで1989年イナリワン、93年メジロマックイーン、97年マーベラスサンデー、2006年ディープインパクトで勝利し、現役最多となる4勝を挙げている。今年のジェラルディーナで5勝目を挙げてさらなる記録更新を狙う。

 また、武豊騎手が騎乗した宝塚記念優勝馬の中に、同騎手とのコンビで最もJRAで勝利数の多い馬もいる。勿論それは12勝を挙げたディープインパクトなのだが、2番目に多かった馬も含まれている。これに気付いたファンはそう多くないだろう。

2番目に勝利数の多かった名馬とは

 ちなみにその馬とは97年の優勝馬マーベラスサンデーである。こちらもディープインパクトと同じく、デビューから引退レースまで武豊騎手が一度も他の騎手に手綱を譲ったことがなかったほどのお気に入りで、コンビでJRA10勝を挙げた。

 大種牡馬サンデーサイレンスを父に持つ本馬は、大ヒットアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)に登場するフジキセキやマヤノトップガンらと同世代である。

 骨折や体調不良により、クラシックは棒に振ってしまったが、初重賞制覇を決めた96年のエプソムCから札幌記念(G3・当時)、朝日チャレンジC(G3・当時)、京都大賞典(G2)と怒涛の重賞レース4連勝。大一番の天皇賞・秋(G1)では、3歳世代の代表格バブルガムフェローの前に4着と敗れた。

 同じ時期にマヤノトップガンやサクラローレルなど強力なライバルがいたため、G1タイトルにはあと一歩のところで手が届かない状況だったものの、喉から手が出るほど熱望したG1タイトルの獲得に唯一成功した舞台が97年の宝塚記念。この年は安田記念(G1)を優勝したタイキブリザードやG1・2勝の名牝ダンスパートナー、前年の天皇賞・秋で苦杯をなめたバブルガムフェローもいたように骨っぽいメンバーも揃ったが、先に抜け出したバブルガムフェローとの叩き合いをクビ差で制してリベンジに成功してみせた。

 ラストランとなった有馬記念では、武豊騎手がもう1頭のお手馬であるエアグルーヴではなくマーベラスサンデーを選択したことでも注目を集めたが、最大のライバルをクビ差で退けながらも、伏兵シルクジャスティスの強襲に屈してアタマ差の2着。トップクラスの実力を持ちながら、もうひとつツキには恵まれなかったところもファンが応援したくなるキャラクターへと繋がったのかもしれない。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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