川田将雅「勝った馬が強かった」と完敗認めた強さ!連続加速ラップで上がり最速の逃げ切り披露、ミカエルパシャ「2億超え」ライバル撃破に評価急上昇

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 9日の中京競馬場5R 2歳新馬戦(芝2000m)は小雨が降る稍重の中、8頭立ての少頭数で行われた。

 このレースは、昨年のセレクトセールにて2億4200万円で取引されたレイデオロ産駒のラケダイモーン、同じく2億2000万円のドゥラメンテ産駒ドゥマイシングが出走。2億円ホース2頭の対決としても大きな注目を集めた。

 しかし、レースを制したのは2番人気に支持されたエピファネイア産駒のミカエルパシャ(牡2、栗東・橋口慎介厩舎)。スタートを決めてハナを奪って逃げ切り勝ち。逃げた馬に上がり最速の脚を使われては、後続が置き去りにされたのも無理はない。

 1番人気で2着となったラケダイモーンの川田将雅騎手が「着差通り勝った馬が強かった」と振り返ったコメントもミカエルパシャの強さを物語っているだろう。

 圧勝したミカエルパシャも昨年のセレクトセールでオーナーの迫田三果子氏が3410万円で落札した馬。実は本馬が初めての所有馬ということだったが、馬主デビューをいきなり初勝利で飾れたのは幸運だ。3着ドゥマイシングも含めた上位3頭は全てセレクトセール出身馬だった。

連続加速ラップを刻む持久力

 約3400万円で取引された馬が、見事に2億円超えのライバル2頭を破った一戦。落札額と能力が必ずしも同じではないことを証明したミカエルパシャの逃げ切り勝ちを収めた各1ハロンのタイムもまた素晴らしかった。

 各馬のポジションが落ち着くまでの2ハロン目こそ11.8を刻んだものの、そこから残りの8ハロンまで13.4-13.3-13.2-13.1-12.5-11.7-11.5-11.4と加速している上に上がり3ハロンもメンバー最速の34.6秒をマーク。後ろの馬からしたら、追い掛けても追い掛けても背中が遠ざかっていくように感じられたはずだ。

 こちらについては、鞍上の松山弘平騎手も「スタートが良く、スピードの違いでハナに押し出される形になりました。強い競馬でしたね。素直でいい馬です」とコメントしたようにミカエルパシャのスケール感が伝わる内容である。

 ちなみに今回の新馬戦と同じ中京の芝2000mを圧勝した馬で思い出されるのは、サイレンススズカが大差勝ちを決めた1998年の金鯱賞(G2)だが、これだけの名馬でさえ、道中で2回ほどラップが緩んでいた。そう考えると加速を続けたままゴールを先頭で駆け抜けたミカエルパシャはなかなかのものだ。

過去には安価な馬が賞金王に君臨

 落札額の3410万円は決して安くはないが、6億円や5億円といった高額馬も登場することのある昨今のセレクトセールからは、比較的お手頃価格の部類といえる。

 ただこういった評価額は、あくまで人間側の決めた金額であり、過去にも安価な馬が金額以上の活躍を見せたケースは度々ある。

 有名どころなら約1000万円のテイエムオペラオーや約500万円のメイショウドトウが、落札額を遥かに凌ぐ賞金を稼いだ。テイエムオペラオーに至っては、アーモンドアイやキタサンブラックに抜かれるまでの17年もの間、獲得賞金ランキング1位を保持し続けたほどだった。

 鮮やかな逃走劇を演じたミカエルパシャもまた、将来が楽しみになる走りを披露しただけに、次走でも注目の1頭となりそうだ。

GJ 編集部

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