「3歳未勝利戦」に重賞勝ち馬が多数出現の怪、今村聖奈と古川奈穂も有力候補に騎乗予定…「タイムリミット」近づく一戦は超豪華メンバー?

 7月も下旬を迎え、関係者はそろそろ「最後の3歳未勝利戦」というワードが気になり始める時期に差し掛かる。

 現3歳世代の未勝利戦は9月1週を最後に終了するため、この日までに勝ち上がれなかった3歳馬の多くはJRAの登録を抹消され、地方競馬に移籍するか乗馬用の馬となる。牝馬の場合は繁殖に上がるなど、第二の馬生を送ることとなる。

 仮に未勝利のままJRAに残っても、既に勝ち上がった馬が相手となり、これまで以上に苦しい戦いを強いられるだろう。中には地方競馬で結果を残して再びJRAに出戻るケースもあるが、それはごく一部。未勝利馬を管理する陣営としても「タイムリミット」が来るまでに、何とか勝ち上がっておきたいところだ。

「タイムリミット」近づく一戦は超豪華メンバー?

 そんな瀬戸際の戦いが繰り広げられる夏の未勝利戦だが、土曜札幌の4R(芝1500m・牝馬限定・13頭立て)には、思いのほか豪華なメンバーが集まった。

 3歳夏でまだ1勝すら挙げられていないメンバーながら、実は出走各馬の兄に重賞勝ち実績のある馬が実に6頭もいるのだ。そこで該当馬と兄の名前を紹介しておきたい。

エルフサイエン 兄ブレスジャーニー(サウジアラビアロイヤルC、東京スポーツ杯2歳S)
アラメダ 兄ヨーホーレイク(日経新春杯)、兄カミノタサハラ(弥生賞)、兄ボレアス(ユニコーンS)
マノレア 兄イコピコ(神戸新聞杯)
スマートヴィーヴル 兄ロジャーバローズ(日本ダービー)
サクセスアイ 兄サクセスエナジー(交流重賞6勝)
レーヴスレアリーズ 兄ディープボンド(阪神大賞典、京都新聞杯、フォワ賞)

 ご覧の通り、ダービー馬ロジャーバローズをはじめディープボンドやヨーホーレイクなど、なかなかのメンツが揃った。

 兄がG1などの華やかな舞台で結果を残した一方で、彼らの妹たちは崖っぷちの戦いに挑み続けていることは対照的である。近親や兄弟に活躍馬がいるケースもあれば、同じ母から生まれた仔でも、スポットライトを浴びることなく競走生活に別れを告げざるを得なかった馬も過去に多数存在した。

 レースが行われる以上は、出走を予定している13頭の中から少なくとも1頭の勝ち馬は誕生する。

 最も有力と見られているのは、兄がダービー馬ロジャーバローズのスマートヴィーヴルか。鞍上に古川奈穂騎手を予定しているが、女性騎手の減量特典の恩恵もあって50キロの斤量で出られるのは明らかに有利で、陣営としても必勝態勢といったところ。

 強敵となるのは兄がディープボンドのレーヴスレアリーズ。こちらは2番目に軽い51キロで今村聖奈騎手とのコンビで出走予定だ。能力の拮抗するメンバーだけに、ライバルよりも軽い斤量で戦えるのは追い風となりそうだ。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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