わずか半年強で立場が逆転…今村聖奈、初参戦の札幌で絶好調「同期」とガチンコ対決

佐々木大輔騎手 撮影:Ruriko.I

 今週末から夏の札幌競馬がスタート。9月3日まで開催14日間に渡って熱き戦いが繰り広げられる予定であり、函館に続いて北の大地に参戦する19歳の若武者・佐々木大輔騎手への関心も日増しに高まっている。

 2年目の同騎手は先週フィナーレを迎えた夏の函館競馬で、18勝を挙げて開催リーディングを獲得。1984年のグレード制導入以降、中舘英二元騎手(現調教師)の記録した20歳を抜く史上最年少での偉業達成をやってのけた。

 この後輩の快挙に、自身は函館で7勝に終わった武豊騎手も「先輩騎手がいる中で、なかなかこんなに勝てない」などと賛辞を送った。佐々木騎手は今週末の札幌でも、土日あわせて20頭もの騎乗馬を集めるなどの売れっ子ぶり。その手綱さばきに注目が集まることは間違いない。

 なお佐々木騎手は昨年、最多勝利新人騎手賞を受賞するなど活躍した今村聖奈騎手と同期であり、当時は「嫉妬していた」と『スポーツニッポン』の取材に対しても話す相手だが、その今村騎手がここ最近、もうひとつ精細を欠いている。

今村聖奈騎手 撮影:Ruriko.I

 昨年わずか9勝だった佐々木騎手に対し、今村騎手はその5倍以上となる51勝をマーク。重賞タイトルも獲得した上、同年暮れにはホープフルSでG1初騎乗を果たすなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍を見せた。それだけに、2023年はさらなる飛躍を期待したファンが多かったに違いない。

 今年に入ってからも4月終了時点で15勝を挙げていたが、5月に入るとスマートフォンの不適切使用が発覚。30日間の騎乗停止処分が下され、復帰後は中央で49戦してわずか2勝止まり。勝ち星は37勝の佐々木騎手の半分以下であるだけに、わずか半年強の間で両者の立場が完全に逆転してしまった。

 そんな今村騎手も今週末、佐々木騎手と同じく札幌競馬に参戦する。

 同競馬場はデビュー以来、初の騎乗となる今村騎手は「(佐々木)大輔や他の同期も頑張っているので、すごく刺激になる」などと話しながらも「同じ場で乗ればライバルなので、負けられないです」と打倒同期へ向けて闘志を燃やしている。

「今村騎手は土日で9鞍に騎乗予定ですが、すべてのレースで佐々木騎手と対決する予定です。最近は佐々木騎手に大きく水をあけられてしまった感もありますが、直接対決の結果次第では巻き返しへ向けて絶好のアピールになるのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 ちなみに今村騎手は次週30日、新潟で開催されるアイビスサマーダッシュ(G3)にメディーヴァルとのコンビで参戦予定。そして来月20日の北九州記念(G3)では、昨年のCBC賞(G3)で重賞初騎乗初Vを達成したテイエムスパーダとの再コンビも決まった。

「メディーヴァルは今年5月の韋駄天S(OP)を制するなど新潟・芝1000mは好相性。テイエムスパーダも昨年勝ったCBC賞と同じ小倉・芝1200mが舞台となる上、管理する木原一良調教師が『(転厩2戦目で)上積みが期待できそう』と話していることから、2頭ともチャンスがあると思います」(同)

 復権に向けての足掛かりは十分に揃って来たといえそうだ。まずは今週末の札幌で結果を出して弾みをつけたい。

GJ 編集部

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