M.デムーロ「絶縁状態」を経て名門と4年3ヶ月ぶりのコンビ白星へ。今年キャリアワーストも「復活」に向けて重要な一戦か

M.デムーロ騎手 撮影:Ruriko.I

 4年ぶりに中京競馬場で開催される、23日の中京記念(G3)。4分の2の抽選を突破して出走にこぎ着けたのが、同競馬場で6戦4勝の実績を持つディヴィーナ(牝5歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。

 同馬は今年に入ると、京都牝馬S(G3)と阪神牝馬S(G2)で共に2桁着順に惨敗。その結果、前走のヴィクトリアマイル(G1)はブービー15番人気だったが、超低評価を覆して4着に好走。最後の直線で猛然と追い込んだ本馬の姿を見て、一瞬は大波乱を受け入れたファンも多かったのではないだろうか。

 母が現役時代に同レースを連覇したヴィルシーナという血統背景も然ることながら、ディヴィーナを管理する友道師は『日刊スポーツ』の取材に「競馬にいくとテンションが上がって、返し馬で終わっていた。それが前走は、ミルコ(デムーロ騎手)が返し馬からうまく乗ってくれた」と、初騎乗だった鞍上のファインプレーも激走の要因だったとしている。

 この中間も順調に調整が進められており、最終追い切りは栗東の坂路を軽快に駆け上がった。先述の通り得意としている中京が舞台となるだけに、ここで初の重賞タイトルを奪取したいに違いない。

 また、指揮官から称賛を受けることとなったM.デムーロ騎手も、引き続き手綱を取る今回は力の入る一戦となりそうだ。

 同騎手と友道厩舎のタッグは、これまでJRA通算39勝。2016年は同厩舎の年間最多となる29回騎乗しており、18年にはアドマイヤマーズでJRA賞最優秀2歳牡馬にも選出された。通算勝率も3割超えをマークしており、まさに黄金コンビと言って差し支えない。

 だが両者は、2019年の天皇賞・春(G1)にエタリオウで挑むも2番人気4着に敗退。離れた最後方からレースを進めたデムーロ騎手の乗り方に対し、友道師がレース後「今の馬場を考えると、あの位置からでは厳しい」と苦言を呈するなど、やや悔いの残る一戦となってしまった。

 そんな敗戦もあって風向きが変わったのか、デムーロ騎手が同厩舎の管理馬に乗る機会は徐々に減少。同年10月の富士S(G3)9着を最後にアドマイヤマーズからも降板し、2021年には年間を通して騎乗依頼が一度もなくなるなど、2人は半ば“絶縁状態”に陥ることとなる。

 また友道厩舎の騎乗回数が少なくなると同時に、デムーロ騎手の成績もだんだんと低下。同厩舎といえば日本ダービー(G1)を3勝している西の名門であり、素質馬の宝庫でもある。疎遠になれば勝ち星が減るのもある意味当然だったといえるかもしれない。

「今年のデムーロ騎手は先週終了時点で28勝。これはJRAの通年免許を取得して以降、ワーストとなる年間勝利ペースです。ここから復活を目指すのであれば、かつて信頼関係にあった友道厩舎と再び寄りを戻すことは必須ではないでしょうか。

コンビでの白星も2019年5月に開催されたNHKマイルC(G1)のアドマイヤマーズ以来およそ4年3ヶ月も遠ざかっているだけに、週末のディヴィーナでは、とにかく結果を出したいところだと思います」(競馬誌ライター)

 ちなみにデムーロ騎手が友道厩舎の管理馬に騎乗するのは、中京記念で今年2回目。つまりはディヴィーナだけだ。22日昼の時点で前売り2番人気に支持されている本馬だけに、結果を残して名門との関係修復を期待したいところだ。

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