武豊でも、今村聖奈でもダメだった「単勝108.5倍」が激走! 40万馬券演出は立役者・古川奈穂と「西の大物厩舎」急接近の予感!?

古川奈穂騎手

 12日、札幌競馬場で行われた8R・3歳以上1勝クラスは、5番人気のヴィルトブリーゼ(牝4歳、美浦・古賀慎明厩舎)が勝利。昨年7月から9戦連続で芝2600mを使われているスペシャリストが待望の2勝目を飾った。

 単勝9.1倍の5番人気馬が勝利したものの、三連単は39万8760円と約40万馬券の波乱決着。その立役者となったのが、単勝108.5倍の11番人気という低評価を覆して2着に食い込んだアドマイヤハイジ(牝5歳、栗東・友道康夫厩舎)と古川奈穂騎手のコンビだ。

 叔父に交流重賞2勝のピイラニハイウェイがいるアドマイヤハイジは、2020年12月のデビュー戦を2番人気で迎えるほどの素質馬だった。しかし、そこで6着に敗れると、その後は鳴かず飛ばず……。

 同世代のトップクラスが秋に備えて休養に入る3歳7月に未勝利戦を脱出できたものの、1勝クラスで10連敗。関西の名門・友道厩舎の所属馬とあって、その間も武豊騎手や福永祐一騎手(現調教師)といった名手に加え、昨年の新人王・今村聖奈騎手などが騎乗したが、2年以上も勝利から遠ざかっている。

 そんな中で今回手綱を託されたのが、3年目の古川奈騎手だった。

「ここ2戦は武豊騎手が騎乗していましたが、1番人気のタナサンブラックに騎乗する関係もあって、古川奈騎手にチェンジ。元々それなりの末脚を持っていながら最後届かずというレースが続いていたアドマイヤハイジでしたが、古川奈騎手も『勝負どころで動かすとグッとハミを取ってくれた』と振り返っていた通り、早めから積極的に動いて行った鞍上の判断が好走の大きな要因だと思います。

最後は良く伸びていましたし、勝ち馬とはクビ差。あそこまで行ったら勝ちたかったというのが本音だと思いますが、あの競馬が出来ればチャンスはまた来るはず。馬格のない馬(416キロで出走)なので(古川奈騎手の)4キロ減の減量特典も大きいと思いますし、今後も見てみたいコンビですね」(競馬記者)

 記者曰く、今回の2着は馬だけでなく「騎手」にとっても大きいという。

大万馬券演出以上に「大きな意味」とは…

 というのも、古川奈騎手は今回が友道厩舎と初コンビ。昨年のダービー馬ドウデュースなど、数多くの大レースを制した名門とのパイプができれば、今後に大きな好影響をもたらすはずだ。

「古川奈騎手といえば、矢作芳人厩舎の所属としてのイメージが強いと思いますが、当然1つの厩舎だけでは成績にも限界があるだけに、当面の課題は矢作厩舎以外との関係の構築。そういった中で、初めて乗った友道厩舎の馬で結果を出したことは小さくないと思います。

友道厩舎は川田将雅騎手や古川奈騎手の兄弟子に当たる坂井瑠星騎手などを筆頭に、様々なジョッキーにチャンスを与えている厩舎。引き続きアドマイヤハイジに騎乗できるかはわかりませんが、また違う形でチャンスが巡ってくるかもしれませんよ」(同)

「前半は脚を溜めて『終いを生かすレースを』と先生から言われていました。最初のコーナーまで力む面はありましたが、スタンド前で馬の後ろに入れると折り合いがつきましたし、勝負どころで動かすとグッとハミを取ってくれました」

 単勝108.5倍の11番人気で2着なら上々以上の結果と言えるが、立役者となった古川奈騎手は「最後は外を回した分があったかもしれません」と更なる改善に余念がない様子。

 昨年は年間10勝すべてが矢作厩舎の馬だったが、今年はここまで16勝中10勝が他厩舎の馬と“進化”を示している古川奈騎手にとって、今回の2着は数字以上に大きな意味を持つはずだ。

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

関連記事

JRA最新記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 5:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS