武豊「勝っても乗り替わり」が2週連続で確定!? 札幌記念ジャックドールで苦杯も「ダービー馬近親」と目指す初タイトル
サマースプリントシリーズ第4戦・北九州記念(G3)で10着に敗れたモズメイメイ(牝3歳、栗東・音無秀孝厩舎)だが、次走は武豊騎手とコンビを再結成し、10月のスプリンターズS(G1)に向かうことが分かった。
5月の葵S(G3)でまるでフライングのようなロケットスタートを決めて優勝していたこともあり、スピードを買われた北九州記念では2番人気に推されたが、ハナすら奪えず大きく期待を裏切ってしまった。レース後、今回が初騎乗だった松若風馬騎手は「行ければ行きたかったが周りが速かった。直線はもう手応えがなかった」と肩を落としたが、同世代の馬と古馬相手とでは勝手が違ったかもしれない。
結果的に8枠18番からの発走となったことも厳しかったか。同馬を管理する音無調教師も「大外枠でスタートも速くなく、前半で脚を使う形となったのが厳しかった」と、枠順を敗因の1つに挙げている。
「ただ、その音無調教師が戦前から『本番(スプリンターズS)はユタカ君が乗ります』と話していた通り、代打のジョッキーで臨んだここは大一番に向けた試行錯誤の意味合いも強かったと思います。
勝って本番に臨むのがもちろんベターですが、目標はまだ先であり、今回のところは枠順も厳しかったため、敗戦もある程度は想定内だったかもしれません」(競馬誌ライター)
武豊騎手とモズメイメイはここまでコンビ3戦3勝という抜群の相性を誇っている。前哨戦は悔しい結果となったが、ぜひ秋の中山・芝1200mの舞台で巻き返しに期待したいところだ。
そんなモズメイメイ陣営から熱烈なラブコールを受けていた武豊騎手だが、27日に開催されるキーンランドC(G3)には、ゾンニッヒ(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)とのコンビで臨む予定だ。
「勝っても乗り替わり」が2週連続で確定!?
ダービー馬マカヒキの近親という良血の同馬とは、前走の青函S(OP)が初コンビだったレジェンドだが、テン乗りをものともせず1着に導いた。レース後は「初めて乗りましたが、雰囲気的に合いそうでした。一瞬の脚が良いので、洋芝の1200mは合いますね」と、舞台適性について太鼓判を押した。
ゾンニッヒはその後も至って順調のようで、陣営も「ひと追いごとに上向いてる」と話すなど、状態の良さを強調している。過去2回挑んだ重賞は敗れているが、ともに0秒3差以内と地力は示している。今回は条件的にも初タイトルの奪取が期待できるだろう。
だが、先述の通り武豊騎手はスプリンターズSでモズメイメイに騎乗する。そのため、ここでゾンニッヒがどんなに強いレースを見せてスプリンターズSに挑むことになったとしても、本番でレジェンドとコンビを解消することは確定的となった。
「先週の札幌記念(G2)にジャックドールとのコンビで参戦した武豊騎手でしたが、仮に優勝して天皇賞・秋(G1)に進むことになったとしても、同レースではドウデュースが復帰を予定しているため乗り替わりとなることが濃厚でした。
どうやら2週連続、図らずも似たような状況下で重賞に参戦することとなったようですね」(同)
そのジャックドールで臨んだ先週の札幌記念は1番人気で6着と苦杯をなめる結果となった武豊騎手。キーンランドCは1着馬にスプリンターズSの優先出走権も付与されるため、次はスイッチ濃厚とはいえ仕事を果たすことができるだろうか。