「メチャクチャ強いね!」M.デムーロに「大復活」の気配!? 8月未勝利から一転「急上昇」4戦4勝「無敗」の大器と掴みたい逆襲のきっかけ
18日、阪神競馬場で行われたJRAアニバーサリーS(3勝クラス)は、1番人気のセラフィックコール(牡3歳、栗東・寺島良厩舎)が勝利。デビューから無傷の4連勝で堂々のオープン入りを果たした。
16頭立て、ダート1800mのレース。セラフィックコールがスタートで後手を踏むのはいつものことだが、この日は発馬直後に隣にいたオーロイプラータと接触。結果的に、鞍上のM.デムーロ騎手が「後ろからになりすぎた」と振り返るほどの出遅れになってしまった。
だが、そんなスタートの遅れをものともしないのが、セラフィックコールが只者ではない証か。向正面でも後方だった本馬は1000mを通過した辺りから一気にスパートをかけると、あっという間に先頭集団へ。
これには今回がテン乗りだったデムーロ騎手も「早めに追い出したけど、早めに先頭に立ちすぎたくらい」と想像以上のパフォーマンスに驚いた様子。最後は2着アイブランコに3馬身半差で圧勝し、「メチャクチャ強いね!」と開口一番で絶賛した。
「今回がキャリア4戦目ということもあって、ずっとスタートで出遅れていますし、最後の直線で抜け出した後も遊んでいる通り、まだまだ幼い馬。それでも4連勝してしまうのですから、末恐ろしい馬だと思います。デムーロ騎手もかなり興奮している様子でしたね。これまで大事に使われて出世が遅れていますが、先々が楽しみな逸材です」(競馬記者)
デムーロ騎手といえば、かつてC.ルメール騎手と共に鳴り物入りでJRAに移籍したことで知られている。大レースにめっぽう強く、移籍初年度となった2015年もドゥラメンテとのコンビで日本ダービー(G1)を勝った他、G1・4勝を含む重賞11勝と大活躍。日本の競馬ファンに“黒船来航”を強烈に印象付けた。
ただ、その後も数々の大レースを制して一時代を築いたものの2020年頃からじょじょに失速……。5年連続リーディングに輝いたルメール騎手とは、大きく水を開けられた印象だ。無類の勝負強さを発揮していたG1勝利も2021年の阪神ジュベナイルFを最後に2年近く遠ざかっている。
そんな中、今年も先月を未勝利で終えるなどファンからも心配されていたデムーロ騎手。だが、ここに来て風向きが変わってきたのかもしれない。
M.デムーロ騎手に「大復活」の気配!?
「今夏、苦戦が続いていたデムーロ騎手ですが、8月最終日の31日にサマーチャンピオン(G3)をサンライズホークで勝った辺りから調子を上げてきている印象です。9月はここまで(18日現在)7勝と好調ですし、京成杯オータムH(G3)では8番人気のミスニューヨークで3着と勝負強さも戻ってきつつあります。
そんなデムーロ騎手にとって、セラフィックコールとの出会いは小さくないきっかけになるかも。自他ともに認める浮き沈みの激しい性格ですし、下がった時に深い分、上がった時はまさに天井知らず……。この秋は、かつてのような大暴れに期待したいですね」(別の記者)
かつて、ゴールドドリームやルヴァンスレーヴといったダート王ともコンビを組み、数々の大レースを制したデムーロ騎手。2011年にはヴィクトワールピサとのコンビでJRA所属馬として初めてのドバイワールドカップ(G1)制覇に導いた。
「強かったです。本当に能力が高い」
最後までセラフィックコールの賛辞を惜しまなかったデムーロ騎手は、ついに巡り合った底知れぬ大器に、果たしてどんな“野望”を抱いただろうか。かつて、神懸かりとさえ言われたデムーロ騎手の復活を多くのファンが待っているはずだ。