池添謙一「ブチギレ」騒動に福永祐一メモリアル品まで…一部ファンのモラルを欠く行為にJRAがついに対策実施か
勝利ジョッキーをウイナーズサークルで祝福し、また騎手もファンからのサインや握手などに応じる。競馬場で見られる素晴らしい光景の1つだ。ファンにとっても、贔屓にしている騎手から直筆サインが貰えれば宝物となるに違いない。
ただ、中には騎手が書いたサインがオークションサイトなどに出品され、高値で取引されたりもしている。いわゆる「転売」といわれる行為である。音楽のライブチケットや最新ゲーム機などが高額転売されていることは日本でも大きな問題の1つであり、日々のニュースでよく取り上げられている。
そんな騎手のサイン転売問題について、JRAが16日に開かれた関東定例記者会見の中で触れた。
JRAがついに対策実施か…
JRAも騎手がウイナーズサークルでファンにサインをする姿は素晴らしいと思っている一方で、ネット上などで転売されている事態はすでに把握しており、騎手たちが快く思わないことも当然理解しているという。
その上で「あまりにも酷ければ、一定の制限を考えなければならない」と話し、今後も転売などのモラルを欠くような行為が続くようであれば、何らかの対策を講じることも検討しているようだ。
ちなみにサイン転売の件で話題になったジョッキーといえば、池添謙一騎手だろう。
自身が書いたサインがネット上で転売されていることを知った同騎手は今年8月、「メルカリで売るやついたんでもう書くのやめますね。そんな奴のためにサインしてるわけじゃないから」とSNSに怒りの投稿。ファンのために善意で書いていたサインが、実は一部“転売ヤー”の小遣い稼ぎに利用されていたと知れば、不愉快に思うのも当然だろう。
なお、この投稿にはファンから相当の反響があったようで、池添騎手は後日「反響にびっくりしておりまして… コメント拝見して、本当に欲しい方の事を考えてなかったです」「これからは本当に欲しい方に宛名も入れてサインする事にします!!お騒がせしました!」と、今後のファンサービスについて善後策を示している。
とはいえ、ウイナーズサークルにおいてひと目見た限りで、その人が本当にサインを欲しているのか、転売目的なのか判断するのはなかなか難しいと思われる。また時間も限られるだけに、一人ひとりに名前を聞いてサインをしていくというのも厳しいか。ちなみに宛名を入れたとしても、そこを切り取ったり消したりなどして、オークションやフリマサイトに出品する手法も存在するようだ。
「今年3月には阪神競馬場で福永祐一騎手の引退式が行われ、当日は先着2万名に『福永祐一騎手 引退メモリアルブック』が配布されたのですか、これもフリマサイトなどに大量に出品されていました。
これらの問題が難しいのは、転売という行為が特に法律によって禁じられているわけではなく、あくまでも個人のモラルに委ねられてくるからでしょう。それだけにJRAがルールを設ければ、それなりに改善はされると思いますけどね」(競馬誌ライター)
またJRAは、ウイナーズサークルの前方を長時間占拠する一部ファンなどについても、今後マナーを求めていくことを示している。すぐには難しいかもしれないが、誰もが気持ちよく競馬を楽しめる環境が今後整っていくことを願うばかりだ。