【天皇賞・秋】イクイノックスに立ちはだかる「天覧競馬」のジンクスと「勝ち馬」の共通点
いよいよ29日に迫った天皇賞・秋(G1)。今年の目玉は何と言っても、昨年の日本ダービー(G1)勝ち馬ドウデュースと2着馬イクイノックスによる再戦だろう。世間ではこの2頭による一騎討ちムードが高まっており、果たしてどちらが勝つのかに注目が集まっている。
そんな中、JRAは天皇陛下が天皇賞・秋を観覧されると発表した。競馬法の制定100周年を記念しての催しであり、実現すれば、2012年の天皇賞・秋以来、実に11年ぶりの天覧競馬となる。
今回の発表を受けて、各陣営は天覧競馬にかける想いを語っている。中でも1番人気が予想されるイクイノックスの木村哲也調教師は『中日スポーツ』の取材に「天覧競馬と聞いて、もちろん心持ちは変化します」「しびれるような緊張感をプラスのエネルギーにして、期待に応えられる仕事を約束したい」と意気込みを語っている。
そんな木村調教師が期待をかけるイクイノックスだが、2000年以降で天皇賞・秋が天覧競馬として実施された2005年と2012年の2回を振り返ってみると、本馬に対して不利なデータが浮かび上がってくる。
過去2回は波乱の天覧競馬、今年はどうなる?
それは過去2回とも「1番人気馬が2着に惜敗している」というものだ。2005年は単勝オッズ2.2倍の1番人気ゼンノロブロイがわずかアタマ差で2着に敗れ、2012年も単勝オッズ3.4倍の1番人気フェノーメノが1/2馬身差で2着に惜敗している。
加えて、2005年と2012年の天皇賞・秋の勝ち馬は、いずれも「単勝オッズ10倍以上の伏兵・穴馬」だったことも面白い共通点だ。2005年には単勝オッズ75.8倍の14番人気ヘヴンリーロマンスが、2012年には単勝オッズ16.6倍の5番人気エイシンフラッシュが、接戦の末に秋の盾を手にしている。
ヘヴンリーロマンスの場合は、レースの1000m通過が62.4秒という超スローペースとなり、上がり3ハロンの末脚勝負に、エイシンフラッシュの場合は、出走馬のシルポートが大逃げを打ち、1000m通過57.3秒という超ハイペースの中、自身は上がり33.1秒の末脚を使って栄光を掴んでいる。
今年の1番人気が濃厚なイクイノックスは、以前から秋の大目標をジャパンC(G1)に定めている。そういった事情を踏まえると、今回の天覧競馬も2005年や2012年のように何らかの伏兵に足をすくわれてもおかしくはない。
果たして3度目はどういう結果になるのか、レース本番が待ち遠しい。