ウインレーシングの精鋭がアメリカで躍動…グレイテストな重賞初勝利は10番人気で戴冠、勢いそのままブリーダーズC制覇に挑む
28日に行われたスワンS(G2)は、10番人気の伏兵ウイングレイテスト(牡6歳、美浦・畠山吉宏厩舎)が勝利。2歳時から素質の高さを見せていた馬だが、重賞では勝ち切れない競馬が続いていた。6歳を迎えた10度目の重賞挑戦で、ついに重賞タイトルを手に入れた。
前走の京成杯オータムH(G3)では初のブリンカー装着が功を奏したものの、クビ差の2着に敗れた。今回は引き続きのブリンカー装着に加え、これまでの1600~1800mではなく、約3年半ぶりの1400mに短縮。そういった陣営の試行錯誤が実を結んだ勝利かもしれない。
レース後、鞍上の松岡正海騎手は喜びを爆発。「なんとかこの馬に重賞を勝たせたい」と思い入れがあったパートナーだっただけに今回の勝利の価値は大きい。次走は優先出走権を手に入れたマイルCS(G1)か、再び1400mを使われるのか、どちらに参戦しても注目したいコンビだ。
ウインレーシングの精鋭がアメリカで躍動…
そんなウイングレイテストは、名前の通りウインレーシングクラブが所有する、スクリーンヒーロー産駒の6歳馬である。これに共通する2頭の馬が、今週は11月4日に行われるブリーダーズC(米G1・以下BC)に挑む。
1頭目はBCフィリー&メアターフに出走するウインマリリン(牝6歳、美浦・手塚貴久厩舎)。フローラS(G2)制覇を皮切りに3歳時から頭角を現し、昨年の香港ヴァーズでG1初勝利を飾った。近走は重賞で掲示板外と振るわないが、C.デムーロ騎手の手綱でもう一花咲かせられるか。
2頭目はBCマイルに出走するウインカーネリアン(牡6歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)。関屋記念(G3)と東京新聞杯(G3)を含む、キャリア8勝をすべて三浦皇成騎手と挙げてきた。前走の毎日王冠(G2)では好メンバーの中で5着と健在ぶりをアピール。引き続き三浦騎手とのコンビで、人馬ともにG1初勝利を目指す。
2頭が挑む今年のBCは「日本馬有利」との声がある。理由としては、今年の開催地・サンタアニタパーク競馬場(米西海岸)までの輸送距離が比較的短いことや、スピードの出る軽い芝が日本馬向きであることが大きい。この恩恵を受けて、日本からはウイン2頭を含む過去最多の9頭がBCに出走を予定している。
スワンSを勝ったウイングレイテストは、種牡馬生活を引退したばかりの父スクリーンヒーローに花を添える形となった。同父・同馬主・同級生の活躍に、マリリンとカーネリアンも続けるか。日本馬への追い風も受けて、大舞台での好走に期待したい。