イクイノックス、リバティアイランド、タスティエーラに続く超大物! 7馬身差G1制覇フォーエバーヤング登場、2015年クラシック世代の覇権争い「第2章」へ

 13日、川崎競馬場で行われた全日本2歳優駿(G1)は、1番人気のフォーエバーヤング(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)が勝利。デビューから無傷の3連勝でG1制覇となった。

 前走のJBC2歳優駿(G3)は後方からの競馬になったが、中間にゲート練習を重ねたことでこの日はスタートが大きく改善。砂を被らない2番手を取れたことで鞍上の坂井瑠星騎手も「これ以上ない形だなと思って道中は乗っていました」と確かな進化を感じ取っている。振り返ってみれば、この時点で勝負あったか。

 最後の直線では、2着のイーグルノワールが差を詰めてきたところで再び大きく突き放す。終わってみれば、7馬身差の圧勝という独壇場だった。

「強い競馬でしたね。今回はスタートが決まって2番手からの競馬になりましたが、早めに先頭に立って上がり3ハロン最速の末脚を使われては、後続はお手上げでしょう。2着のイーグルノワールは兵庫ジュニアグランプリ(G2)を含む3連勝中の実力馬。7馬身差の圧勝は内容的にも非常に高い価値があると思います。

またこの勝利は藤田晋オーナーにとっても待望のG1初制覇。忘年会シーズンの忙しい合間を縫って競馬場に駆けつけましたが、最高のプレゼントになりましたね。米ブリーダーズC制覇など世界的な実績を誇る矢作厩舎所属馬ということもあって、来年はサウジダービー(G3)やケンタッキーダービー(G1)の遠征プランもあるそうです。いずれにせよ来年が楽しみになるスター候補だと思います」(競馬記者)

 藤田オーナーを始め、多くの関係者にとって大きな夢を抱かせたフォーエバーヤングのG1制覇。また、この1勝は関係者だけでなく、1頭の種牡馬の未来も大きく開いた。本馬の父リアルスティールである。

 フォーエバーヤングが全日本2歳優駿を7馬身差で圧勝した翌日、リアルスティールを繋養するブリーダーズ・スタリオンステーションは、サラブレッドブリーダーズクラブの公式X(旧ツイッター)を更新し、本馬の2024年の種付け数が満口になったことを公開。今年の種付け料が300万円のリアルスティールだが、この勝利によって一躍人気種牡馬の仲間入りを果たした。

2015年クラシック世代の覇権争い「第2章」へ

 リアルスティールといえば、2016年のドバイターフ(G1)を制した名馬だが、2015年の3歳クラシックでは、ドゥラメンテやキタサンブラックを前に苦杯をなめ続けた存在だった。

ドゥラメンテ

 その後、ドゥラメンテはリバティアイランドやタイトルホルダーなど数多くの名馬を輩出し、キタサンブラックもイクイノックスが大ブレイク。すでに超一流種牡馬の地位を確立している。また、同年の皐月賞(G1)で1番人気だったサトノクラウンも今年のダービー馬タスティエーラを輩出した。

「3戦3勝とまだ底を見せていないですし、こうやってG1も勝つことができました」

 あれから8年。「来年以降、本当に楽しみな馬だと思いますので、応援のほどよろしくお願いします」と坂井騎手が絶賛するフォーエバーヤングという大物を輩出し、ドゥラメンテ、キタサンブラック、サトノクラウンらが繰り広げる種牡馬対決に割って入ったリアルスティール。

 果たして、ここからどういった成功を重ねていくのか。2015年クラシック世代の覇権争い第2章が幕を開けた。

GJ 編集部

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