ヤマニンウルスだけではない!? ダート路線に相次いで「新星」登場…古豪の引退で混迷極めるダート路線
17日に開催された2歳マイル王決定戦・朝日杯フューチュリティS(G1)は、1番人気ジャンタルマンタルが優勝。前走のデイリー杯2歳S(G2)を制した勢いのまま、G1制覇となった。
2着には武豊騎手騎乗の素質馬・エコロヴァルツが入った。復帰初週の武豊騎手だったが、復調を感じさせる好騎乗だった。
武豊騎手が復帰早々に好騎乗を見せた日に素質馬が快勝
そんな中、朝日杯FSが行われた同日の最終レースに楽しみな馬が出走していた。それが12R・御影S(3勝クラス)を優勝したエンペラーワケア(牡3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)である。
同馬は芝1600mの新馬戦でデビューして5着だったが、半兄にダートオープン馬のサンライズラポールがいる血統。ダート替わりでの一変に期待されていただけあって、ダートに転向して5戦4勝。負けた1戦は大きな出遅れがあっての2着ということを考えれば、全く底を見せていない。
もともと、育成牧場のチャンピオンズファームでは「化け物」と呼ばれていたというだけに、関係者からの期待も集めていた1頭だ。
このレースでは、11番枠から好スタートを切った後、前半の3Fが33.6秒という決して緩くはないペースの中、4番手でレースを進め、3.1/2馬身差の快勝を見せた。3勝クラスで実績のある古馬を楽に突き放した内容は非凡といえる。
レース後、騎乗していた川田将雅騎手は「ともにレースをしていたので、能力の高さは見ていました。その通りに良い走りができたのかなと思います」と同馬を絶賛するコメントを残した。
時期的にも、来年の根岸S(G3)、さらには距離を延長してフェブラリーS(G1)を期待できそうなだけに今後も動向に注目したい。
今年の3歳世代ダート路線は新星が続々登場
今年のダート路線は、夏から秋にかけて「新星」が相次いで誕生した印象が目立つ。
春の実績馬では、UAEダービー(G2)を制し、ブリーダーズCクラシック(G1)で2着に好走したデルマソトガケや、UAEダービーでの2着や、先日のチャンピオンズC(G1)で3着に好走したドゥラエレーデなどが強豪古馬相手に顕著な活躍を示していた。
さらに夏以降、オーサムリザルトやヤマニンウルス、サーマルソアリングなど、連勝街道を突き進む期待の3歳馬の登場が多く見られた。
今年の秋には、「古豪」の引退も多くあった。フェブラリーSを連覇したカフェファラオや、G1を3勝したテーオーケインズなど、長く一線級で走ってきた古馬の引退もあった。
古馬が強いと言われているダート路線だが、来たる「世代交代」から目が離せない。