【有馬記念(G1)公開枠順抽選会】イクイノックス引退で混沌…「ファン投票1位」不在の年に浮上するラッキー馬番
数日後に迫った2023年中央競馬の総決算、有馬記念(G1)。21日の夕方5時から実施される注目の公開枠順抽選会は、BSフジがその模様を生中継するほか、同局の公式YouTubeチャンネルでもライブ配信されるという。
現行の枠順抽選方式を改めて説明すると、ゲスト(今年はJRA年間プロモーションキャラクターでタレントの見上愛さんと佐々木蔵之介さん)の抽選で選ばれた馬の関係者が、再び抽選を行って馬番が決定するという仕組みだ。
現在はこの方式が定着しているが、実は枠順抽選会が始まった1年目の2014年は、今とは違って“ドラフト方式”だった。これは、指名された順に陣営が好きな馬番を指名できたのだが、当然のごとく内目の偶数枠から順に埋まっていった。
初回の栄えある1位の権利を得たジェンティルドンナ陣営は2枠4番を、同2位のトゥザワールド陣営は3枠6番をそれぞれ指名。本番でこの2頭がワンツーを決めたのを記憶しているファンも少なくないだろう。
スタート直後にカーブがあり、合計6回のコーナーを回る中山芝2500mの独特なコース形態から、内枠有利というのが有馬記念の定説。現行ルールになった2015年の第2回以降も内目の枠を引いた陣営が笑顔を見せ、外目の枠を引いた陣営が残念がるというのが定番と化している。
そんな中で迎える今年の有馬記念だが、ファン投票1位で選ばれたイクイノックスがジャパンC(G1)を最後に現役引退。絶対王者の不在で混戦ムードが漂っているだけに、上位人気のメンツも枠順次第で様変わりする可能性が高い。
今年のようにファン投票1位の馬が出走しない有馬記念というのは非常に珍しく、今年も含めて68回のレース史の中で僅か6回目だ(出走取消を含む)。実は過去5回にはある共通点があったので、それを紹介してみたい。
【ファン投票1位の馬が不在の有馬記念1~3着の馬番】
1958年 7→1→9(3着9番マサタカラ)
1971年 6→3→7(1着6番トウメイ)
2008年 13→14→6(3着6番エアシェイディ)
2009年 9→2→6(1着9番ドリームジャーニー、3着6番エアシェイディ)
2012年 13→6→9(2着6番オーシャンブルー、3着9番ルーラーシップ)
2023年???
1972年から2007年まで36年連続でファン投票1位の馬が出馬表に名前を連ねていたことにも驚かされるが、ファン投票1位の馬が不在だった過去5回すべてで、「6」か「9」のゼッケン番号(馬番)を纏った馬の少なくともどちらか1頭が馬券圏内に入っていたことがわかる。
中には10番人気と11番人気で2年連続3着のエアシェイディや、10番人気で2着のオーシャンブルーといった人気薄もいて、直近の2回に至っては6番と9番がそろって3着以内と、その威力を発揮している。
一方で、同じ内目でも4番、5番、8番は一度も3着以内がないなど、偶然とは言い難い偏りが見られる。
ズバリ、ファン投票1位のイクイノックスが不在となった今年の有馬記念は、ラッキーナンバーの6番と9番の馬に夢を託すのもありかもしれない。