【有馬記念】「兄弟対決」は横山武史と和生だけじゃない? タイトルホルダーの作戦にも影響か…パンサラッサ不在でも侮れない「新たな刺客」とは
24日の中山競馬場で行われる有馬記念(G1)。中央競馬の開催については28日のホープフルS(G1)も控えているが、こちらは2歳のG1ということもあり、やはり1年の総決算という意味では、暮れのグランプリに注目するファンが多いだろう。
出走していれば大本命と見られていたイクイノックスが引退し、混戦ムードの様相を呈しているものの、出走を予定しているメンバーはG1馬が8頭と豪華。どの馬が勝っても不思議ではないだけに、馬券的な妙味にも期待が出来そうだ。
また、前走に続いてジャスティンパレスに騎乗する横山武史騎手とタイトルホルダーに騎乗する横山和生騎手による兄弟対決も実現する。こちらについては今更珍しい訳でもないのだが、有馬記念の出走予定馬においても兄弟対決が絡んでくることに気付いたファンもいるだろうか。
パンサラッサ不在でも侮れない「新たな刺客」とは
実は横山兄弟の対決だけではなく、武史騎手がコンビを組むジャスティンパレスの半兄にあたるのが、石橋脩騎手が騎乗予定のアイアンバローズである。いずれも長距離戦を得意にしているステイヤーで、弟が今年の天皇賞・春(G1)で初G1勝利も経験した。
これに対し、兄アイアンバローズは3番人気に推された昨年の天皇賞・春でタイトルホルダーの5着に敗れ、今年の同レースは弟に完敗の16番人気13着。実績で大きな差をつけられている現状だが、意表を突く大逃げを決めた前走のステイヤーズS(G2)を制して待望の重賞初勝利を手に入れることに成功した。
稀代の逃げ馬といわれたパンサラッサが不在となった今年の有馬記念ではあるが、前走の好感触をそのままに、アイアンバローズが再び逃げの手に出るようなら新たな刺客となる可能性も十分にありそうだ。
「逃げなくても問題のないタイトルホルダーですが、どちらが望ましいかといえば、他馬の影響を受けにくいマイペースの逃げでしょう。前走のジャパンC(G1)では、パンサラッサが先手を取りましたが、同馬がいないなら今度こそ単騎逃げのチャンスだったはずです。
アイアンバローズが今回も逃げるとは限りませんが、この馬は切れる脚を使うよりもスタミナを生かして前々でロングスパートに持ち込みたいタイプ。そういう意味では石橋騎手の判断は正しかったと思いますし、タイトルホルダー以外に先手を主張しそうな馬がいないなら、“二匹目のどじょう”を狙う可能性もありそうですね」(競馬記者)
ここまでの情報をまとめると、横山武騎手(弟)のジャスティンパレス(弟)と横山和騎手(兄)のタイトルホルダーで、アイアンバローズ(兄)は単騎逃げが理想のタイトルホルダーの作戦に少なからず影響を与える可能性があるのだが、それぞれの騎手も馬も兄弟での対決は実現したという話である。
これでもしメロディーレーンも出走していたなら、弟タイトルホルダーにも姉との対決が発生していたかもしれない。なんだかややこしい話だが、それぞれが有馬記念のレース展開に関わってきそうなポジションだけに、各馬の騎手の出方は注目したいところだ。