レモンポップ厩舎に新たな「大物」が出現! 藤田伸二と新コンビで才能が開花、ドバイでも好走した「G1・4勝馬」の近親がノーステッキ圧勝デビュー
20日、中山4Rに行われた新馬戦(ダート1800m)は、好位から抜け出した1番人気エクリプスルバン(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)と戸崎圭太騎手のコンビが、2着に3馬身差をつけて優勝した。
大外16番枠からスタートしたエクリプスルバンは、鞍上が促さずとも抜群のダッシュ力で楽に3番手をキープ。道中の折り合いも問題なく4コーナー2番手で最後の直線に入る。
戸崎騎手が軽く気合をつける程度で抜け出すと、そのままノーステッキで後続を突き放す圧勝劇。ゴール前では流す余裕も見せていた。
デビュー戦を難なく突破したエクリプスルバンは、2021年のJRA最優秀ダートホース・テーオーケインズや昨年の南関東クラシック三冠を無敗で制したミックファイア、同じく昨年のJBCクラシック(G1)で圧勝したキングズソードと同じシニスターミニスター産駒。ダートの強豪を近年多く輩出している種牡馬だけに、本馬にも活躍の期待がかかる。
また、近親にはダートG1・4勝を挙げたトランセンドがいる。
藤田伸二元騎手とのコンビで才能が開花
本馬と同じノースヒルズ一族の持ち馬トランセンドは、2009年2月にデビューするも、4歳春までに重賞勝利は1つのみ。10年4月のアンタレスS(G3)でも8着に敗れたが、次走の東海S(G2)から藤田伸二元騎手と新コンビを組むと、その才能を徐々に開花させていくこととなる。
コンビ3戦目のみやこS(G3)を逃げ切り、重賞2勝目を挙げると、続くジャパンCダート(G1、現チャンピオンズC)とフェブラリーS(G1)を連勝。2011年のドバイワールドC(G1)でもハナを奪い2着に好走した。東海S以降は藤田伸元騎手が手綱を取り続け、史上初となるジャパンCダート連覇を成し遂げるなど先述の通りG1・4勝を挙げた。
さらに本馬を管理するのは昨年、フェブラリーSなどG1・3勝を挙げ、最優秀ダート馬に輝いたレモンポップと同じ田中博厩舎であるのだから、これからのダート路線で相当楽しみな1頭であることは間違いない。
その田中博師はレース後、「テンも、中も、しまいも期待通りの走りをしてくれた」とエクリプスルバンの走りを絶賛。「距離は1600mもこなしてくれそう」と、この先を展望している。
騎乗した戸崎騎手も「頭の高いフットワークがどうかと思っていましたが、レースではリズム良く運べました。なかなかのセンスを見せてくれました」と、今後さらなる伸びしろを期待させるコメントを残していた。
次走は状態を見ながら決められるとのことだが、長い目で追いかけてみたい大物候補だ。