川田将雅×金子真人オーナーの1番人気を妨害…L.モリスが「痛恨」の騎乗停止、「75戦1勝」苦戦の凱旋門賞ジョッキーに巻き返しはあるか
20日の京都5Rに行われた新馬戦。好位を追走した5番人気ダノンピレネーが、最後の直線で2着馬との追い比べを半馬身差制しデビュー戦を飾った。
騎乗した坂井瑠星騎手は「最後もしっかりいい脚を使ってくれて、いい内容だったと思います」とパートナーの走りを評価。同馬を管理する高柳大輔調教師によると今後は放牧に出されるようだ。
なおこのレースは勝負どころの4コーナーで、先行集団にいたヤマトフェイスが外側に斜行。近くにいたオープンワンセルフの進路が狭くなり、その後方を走行していたクセノポンがあおりを受けてつまずく事象があった。
そのため先に不利を受けたオープンワンセルフは7着。川田将雅騎手が騎乗していたクセノポンは一昨年のセレクトセールで金子真人オーナーが1億8700万円(税込)で購入したハーツクライ産駒であり、1番人気の支持を受けていたものの11着に大敗してしまうなど、やや後味の悪いレースとなってしまった。
L.モリス騎手が「痛恨」の騎乗停止
これにより来月3日から開催2日間の騎乗停止となったのが、ヤマトフェイスに騎乗していたL.モリス騎手である。
昨年12月に初のJRA短期免許を取得したモリス騎手は、英国出身の35歳。一昨年の凱旋門賞馬アルピニスタの主戦ジョッキーとして知られ、同馬とのコンビではG1・6連勝を達成するなど、ヨーロッパで確たる地位を築き上げつつあるジョッキーの1人だ。
だが、日本初参戦となった今回の騎乗は、期待通りとは言えないようだ。
「昨年12月に短期免許で初参戦したモリス騎手ですが、身元引受調教師である友道康夫厩舎の管理馬ストーンズとのコンビでJRA初勝利。『ライセンスを発行していただいたJRAに感謝したい。また、馬主さん、生産者さん、友道先生、スタッフの皆様にももちろん感謝したいと思います』と喜びを語り、暮れの有馬記念(G1)でもウインマリリンに騎乗が決まるなど、その活躍が大いに期待されています。
しかし、昨年はその1勝後に勝ち星を挙げることができず、今年もここまで未勝利。今回の騎乗停止は結果が出ない焦りもあったかもしれません。期待のストーンズも若駒S(L)で5着に敗れてしまうなど、中央では20日終了時点で75戦してわずか1勝という成績。勝率は1.3%に留まっています」(競馬記者)
ただ、記者曰く先述した地元での実績に加え、2014、15年には連続して189勝をマークしていることからも、モリス騎手が英国きっての腕利きであることは疑いようがないとのこと。
もちろんしっかりと反省した上でだが、モリス騎手にとっては一度見つめ直すという意味においても、今回の騎乗停止もある意味ではプラスに考えることもできるかもしれない。
ストーンズと初勝利を挙げた際には「ファンの皆様には、イギリスと日本で馬の乗り方が少し違うため、ルールに基づいたイギリスの乗り方をお見せできればと思います」とも抱負を語っていたモリス騎手。短期免許は来月25日までの予定となっている。今後の本領発揮に期待したいところだ。