戸崎圭太に新たな「出会い」の予感!? 出世レース快勝のクラシック有力馬に続きイクイノックス、ドウデュース一蹴の「実力馬」が復調を予感させる走り

戸崎圭太騎手 撮影:Ruriko.I

 日本時間24日の夜に開催されたサウジカップデー。日本からは大挙21頭が参戦、メインのサウジC(G1)は日付を跨いでからの発走だったが、眠気をこらえながら声援を送ったファンも多かったのではないか。

 日本馬はフォーエバーヤングがサウジダービー(G3)、リメイクがリヤドダートスプリント(G3)をそれぞれ勝利。サウジCでは惜しくもウシュバテソーロがアタマ差で戴冠を逃したが、ファンに多くの興奮と感動を与えたことは間違いない。

 一方、C.ルメール騎手や川田将雅騎手、坂井瑠星騎手などがサウジアラビアに遠征したことで、中央競馬は一流ジョッキーの多くが不在となった。そんな先週末の開催で気を吐いていたのが戸崎圭太騎手だ。

 土日ともに中山で計21鞍という多くの騎乗依頼を受けた同騎手は、最初の騎乗となった土曜1Rを5馬身差で逃げ切る幸先のいいスタート。4Rでも3番人気ジュレブランシュを勝利に導き2勝をマークすると、日曜は特別戦2連勝を含む1日5勝と大暴れした。

「騎乗馬も決して人気馬ばかりだったわけではなく、日曜9Rのデイジー賞(1勝クラス)は7番人気イゾラフェリーチェで逃げ切り勝ちも決めました。土日計7勝の固め打ちで、関東リーディングでもサウジアラビアに遠征していた横山武史騎手を抜いてトップに浮上しています」(競馬誌ライター)

 いよいよエンジン全開も感じさせるほどの大活躍を見せた先週の戸崎騎手。中でも3着にこそ敗れたものの、ジオグリフ(牡5歳、美浦・木村哲也厩舎)との初コンビで挑んだ中山記念(G2)でも見せ場十分だった。

戸崎圭太に新たな「出会い」の予感!?

ジオグリフ 撮影:Ruriko.I

 昨年の同時期はサウジCに参戦し4着に好走していたジオグリフ。その後は4戦して最高着順が9着と精彩を欠いていたが、言わずと知れた一昨年の皐月賞馬である。

 初めて手綱を取ることになった戸崎騎手も『競馬ラボ』に連載している『週刊 戸崎圭太』の中で「過去には皐月賞を勝った馬ですから乗れることが嬉しいですね。あのパフォーマンスが引き出せれば理想です」と、クラシックホースに跨る喜びと中山記念にかける意気込みを語っていた。

 4番枠からスタートを決めた人馬は道中、前目のインコースでレースを運ぶ。4角ではロスを最小限に抑えたコーナリングを披露するなど、テン乗りとは思えない息の合った走り。最後はマテンロウスカイとドーブネに後れを取ったが、直線の半ばでは一瞬勝利も予感させた。

 レース後の戸崎騎手も「最後は脚色がにぶりましたが、よく頑張っています」とパートナーの奮闘を褒め称えた。一昨年の皐月賞(G1)でイクイノックスとドウデュースをまとめて負かした実力馬の復調を予感させるに十分な走りだった。

「最後の最後に伸びを欠いたのは約3ヶ月の休み明けだった上、国内で過去最高の馬体重となる516キロだったことも影響したでしょうか。ただ、ここを使われたことで次はかなりの上積みが期待できそうでした。引き続きこのコンビで大阪杯(G1)あたりに駒を進めてくれば面白い存在になると思います」(同)

 なお戸崎騎手といえば昨年から今年にかけて、レモンポップやドライスタウトといった有力なお手馬を手放してしまった苦い経験もある。18日のフェブラリーS(G1)でもデビュー戦から乗り続けていたオメガギネスを思いもよらぬ形で乗り替わりとなってしまったことは記憶に新しい。

 ただ11日には、エフフォーリアやスワーヴリチャード、ゴールドシップなど多くのG1馬を輩出している出世レース・共同通信杯(G3)を初コンビのジャスティンミラノで快勝。継続騎乗こそ決まっていないものの、クラシック候補の同馬に続いて今回のジオグリフも、戸崎騎手にとっては新たないい出会いとなるかもしれない。

GJ 編集部

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