戸崎圭太も横山武史もヒヤリ…2ヶ月「16勝」関東リーディング3位「新女王」R.キング「5勝固め打ち」フィニッシュに別れを惜しむ声続々

撮影:Ruriko.I

 3日の中山10Rに行われた総武S(OP)は、ここまでダートで無傷の3連勝中だったサーマルソアリングの走りが注目されていた。

 同馬は初ダートとなった3走前の自己条件で、2着に2秒2の大差をつける衝撃V。続く2勝クラスと3勝クラスも大楽勝。初オープンのここも当然通過点と思われたことから、単勝1.8倍の圧倒的支持を集めた。

 道中は先行集団の外目を追走。4コーナーでスッと上がっていく姿を見たあたりでは、勝利を確信したファンも多かったのではないか。最後の直線に入ると前を捕えて先頭に立とうとしたが、ゴール前で外から6番人気の伏兵ゴールドハイアー(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)の強襲に遭い、あと一歩のところで2着に敗れてしまった。

 サーマルソアリングに騎乗した西村淳也騎手はレース後「こういう競馬をしたかったですし、上手に競馬をしてくれました」「結果だけがついてきませんでした」と敗戦にも納得のコメントを残していたことから、今回ばかりは勝ち馬が上だったということだろう。

 また、勝ったゴールドハイアーに騎乗し、サーマルソアリングにダート初黒星をつけるとともに、この日3勝の固め打ちを決めたのがR.キング騎手だ。

 ゴールドハイアーとは今回が初コンビだったキング騎手。道中はサーマルソアリングを見るようなポジションを追走。4コーナーでは激しく手が動いていたが、直線に入ると馬も鞍上の叱咤に応えて脚を伸ばし、ゴール前で豪快に差し切ってみせた。

 大本命馬を破っての白星にキング騎手もレース後、「いいスタートを切って前半リズムよく行けました」「最後もバテない脚を使っていい勝ち方だったと思います」と満足そうに勝利を振り返っていた。

「一昨年12月に3勝クラスを勝ってオープン入りを決めたゴールドハイアーですが、昇級後は6戦全敗で連対すら一度もなし。オープンクラスでの勝ち負けは厳しいと思われていましたが、キング騎手に乗り替わったことで馬が変わった印象です」(競馬誌ライター)

R.キング騎手との「別れ」を惜しむ声…

 ゴールドハイアーにオープン初勝利をもたらしたキング騎手は、前日の中山でも2勝をマークしており、この週は土日で計5勝の大暴れ。関東リーディングでも戸崎圭太騎手、横山武史騎手に次ぐ3位に浮上したが、今回の短期免許が5日で切れるため、ここでひとまず見納めとなる。

 年初から初の短期免許で中央に参戦したキング騎手は、約2ヶ月間で16勝をマーク。1月のアメリカジョッキークラブC(G2)ではチャックネイトで外国人女性騎手として初となる平地重賞勝利を飾るなど、重賞タイトルも2つ獲得した。

 同じく年初から短期免許で騎乗していたL.モリス騎手とR.ピーヒュレク騎手は、自己都合により途中で騎手免許を返上。同じ関東所属だったR.キングスコート騎手が5勝で帰国の途についたことを考えると、キング騎手は強烈なインパクトを残したといえるだろう。

 先述の通りラストウィークでも5勝と存在感を放っていただけに、SNSやネット掲示板にはファンからも「今日で最後とか残念すぎる」「早くまたJRAに戻ってきてほしい」「人気薄でも1着に持ってくる凄いジョッキーだった」「通年免許で乗ってくれないだろうか」といった別れを惜しむ声も多く寄せられていた。

 初の短期免許でこれだけの爪痕を残したのだから、今後は関係者が再びキング騎手に声をかけることも十分に考えられる。そう遠くないうちにまた日本で騎乗が見られることを期待したい。

GJ 編集部

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