武豊「本当に強いレースができました」蘇る過去の成功パターン…昨年オークスにも駒を進めた重賞ウイナーがスプリント電撃参戦へ!

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 武豊騎手とのコンビで先月17日の京都牝馬S(G3)を制したソーダズリング(牝4歳、栗東・音無秀孝厩舎)。次走はレジェンドの進言もあり、24日の高松宮記念(G1)を視野に入れているとのことだ。

 同馬は芝1800mで初勝利を挙げ、芝2000mのフローラS(G2)で2着に入って昨年のオークス(G1)に駒を進めた。レース後に武豊騎手が「結果的に距離が長すぎるのだと思います」と振り返ったように、距離延長は好結果に結びつかなかったようだ。

 そういった経緯もあって、好走実績のある芝1800mが舞台のローズS(G2)で3番人気に支持されたものの、手応えの割に伸びず8着に敗れてしまった。その結果、陣営も秋華賞(G1)には向かわず、マイル路線に変更して善戦。さらに距離を短縮した芝1400mの京都牝馬S(G3)を勝利して、ついにはスプリントG1へと舵を切った。

 前走は武豊騎手も「すごくスムーズに走れました」と好感触だっただけに距離短縮は大成功といえるだろう。高松宮記念の出走が決まれば、有力馬の1頭として人気を集めそうだ。

「ローズSでは前進気勢の強い面を見せ、武豊騎手も折り合いに苦労していたソーダズリングですが、燃えやすい気性を考えれば、ペースの上がるスプリント路線は合いそうですよ。

現時点で高松宮記念の鞍上は明言されていないようですが、8戦中7戦で手綱を取り、距離短縮も進言した武豊騎手の継続騎乗が濃厚と思われます」(競馬誌ライター)

 ちなみに今のスプリント界といえば、昨年のJRA賞最優秀スプリンターのタイトルこそママコチャが受賞したものの、2位が「該当馬なし」になるなど絶対的な主役が不在。それだけにソーダズリングにニュースター誕生の期待もかかってきそうだ。

 また、ソーダズリングのように武豊騎手のお手馬で徐々に距離を詰めて高松宮記念に参戦した馬といえば、2007年のスズカフェニックスが思い出される。

「本当に強いレースができましたね」蘇る過去の成功パターン…

 父に平成の大種牡馬サンデーサイレンスを持つスズカフェニックスは、3~4歳時は芝のマイルから中距離を中心に使われていたが、5歳を迎えると短距離路線に完全転向。07年の東京新聞杯(G3)で武豊騎手と初重賞勝利を飾り、引き続き同騎手の手綱で1400mの阪急杯(G3)3着を経て高松宮記念に出走した。

 ちなみに当時の短距離界といえば、前年となる2006年のスプリンターズS(G1)を豪州のテイクオーバーターゲットが優勝。安田記念(G1)も香港のブリッシュラックに持っていかれるなど、日本国内に確固たる主役が不在であった。この辺りは現在のスプリント路線とイメージが重なりそうである。

 そんな混戦模様の中、高松宮記念に参戦したスズカフェニックスは、初の芝1200mだったにもかかわらず1番人気の支持。レースでは残り150mあたりで先頭に立つと、2着に2馬身半差をつけてゴール。新たなヒーローが誕生した瞬間であった。

「スズカフェニックスは懐かしい馬ですね。デビューから3戦はダートの短距離を好走していたため、元々スピードのある馬でした。高松宮記念は中団から早めに進出し直線で馬場の真ん中から抜け出すほぼ完璧な競馬。武豊騎手もレース後には『1200mでもこなしてくれると思った。本当に強いレースができましたね』と“してやったり”のコメントを残していましたよ。

ちなみに武豊騎手は2005年にもアドマイヤマックスで高松宮記念を制していましたから、当時の成功体験も距離短縮を後押ししたかもしれません。まるで当時の再現のようなレースでもありましたね」(同)

 思い返せばライターが挙げたアドマイヤマックスも、2歳時には芝1800mの東京スポーツ杯2歳S(G3・当時)を制するなど元々は芝の中長距離以上を使われていた馬だったが、古馬になり芝1200mで武豊騎手と初G1を制した馬だ。

 似たような成功パターンが過去あるだけに、今年のソーダズリングにとっても好材料となり期待できそうである。果たして初のスプリント戦でどのような走りを見せてくれるだろうか。

GJ 編集部

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