「世代の頂点までも狙える別格の存在」キタサンブラック産駒の良血馬が既走馬相手に初陣V! G1レーシングに「クラシック候補生」誕生!?
3月も半ばに突入し、春G1シリーズの足音が聞こえてきた。来週末の24日には中京で高松宮記念(G1)、その翌週には阪神で大阪杯(G1)が行われる。
そして4月に入ると桜花賞(G1)、皐月賞(G1)と3歳クラシックも次々スタート。競馬ファンにとってはたまらない季節の到来といえるだろう。
3歳牡馬にとっては皐月賞や日本ダービー(G1)は最大の目標となるわけだが、3月時点である程度賞金を加算していないと勝つことはおろか、出走することすら難しいのが現実だ。そんな中、10日の阪神で初出走ながら、大物感漂う走りを見せた逸材が登場した。
それが日曜の阪神4R・3歳未勝利(芝2000m)で、既走馬を相手に勝ち上がったスカイサーベイ(牡3歳、栗東・池添学厩舎)だ。
G1レーシングに「クラシック候補生」誕生!?
スタートでやや後手を踏み、置かれる形となったスカイサーベイ。レース序盤は無理をせず後方2番手のインで脚を溜めた。向正面で徐々に位置を上げていくと、3~4コーナーの勝負所で一気にスパート。ソウルスターリングの全弟という話題の良血馬シャイニングソードと馬体を並べながら外を回って直線を向くと、一気の伸び脚で先頭へ。残り150m付近で2馬身近いリードを奪うと、最後はシャイニングソードの追い上げをアタマ差で凌いだ。
レース後、「追い切りに乗って特性を掴んでいました」と話したのは騎乗したB.ムルザバエフ騎手だ。「思ったよりゲートは出なかった」というものの、「最後も物見をしていたくらいで止まっていません。まだ子供っぽいですが、能力は高いです」と課題を挙げながらもスカイサーベイの走りを褒めたたえた。
「良血馬がやっとデビューにこぎつけましたね。しかも既走馬や同じく良血のシャイニングソードらを相手に勝ち切ったのは、今後を見据える上でも大きいと思います。この馬の半兄ヴィクティファルスは、3歳の春にスプリングS(G2)を勝って、牡馬クラシックを歩みました。
スカイサーベイは兄と同じG1レーシングの所有馬ですが、1歳時の募集時のカタログには『世代の頂点までも狙える別格の存在』とまで評された逸材。叔父には未完の大器と呼ばれ、種牡馬としても成功しているシルバーステートがいる超良血馬です。時期的にダービーは厳しいかもしれませんが、菊花賞に間に合うようなら面白い存在になるかもしれません」(競馬誌ライター)
G1レーシングは、2010年に設立された最も新しい社台系の一口クラブで、これまでにペルシアンナイト、ジュールポレール、ルヴァンスレーヴ、そしてセリフォスの4頭がJRAのG1を勝利している。ただし、牡馬・牝馬ともにクラシックでは未勝利だ。
スカイサーベイと同じ3歳馬にはゴンバデカーブースという重賞ウイナーもいるが、やや順調さを欠いている。G1レーシングにとってもスカイサーベイは秘密兵器となるかもしれない。