C.ルメール「重賞未勝利」単勝1.9倍ドゥレッツァでも止まらぬ負の連鎖。イクイノックス・ロス? 最愛のアーモンドアイが引退した翌年は
10日、中京競馬場で行われた金鯱賞(G2)は、2番人気のプログノーシスが5馬身差で圧勝。昨年に続く連覇を決め、悲願のG1制覇へ大きく近づいた。
完敗となったのが昨年の菊花賞馬ドゥレッツァ(牡4歳、美浦・尾関知人厩舎)だ。
単勝1.9倍のドゥレッツァと単勝2.7倍のプログノーシスによる2強対決となった今年の金鯱賞だが、終わってみれば5馬身という大きな差がついた。
無論、主戦のC.ルメール騎手が「2000mと3000mではリズムが違う」と指摘した通り、今回は前走・菊花賞の3000mから1000mも距離を短縮した一戦。「最後は伸びましたね。今回は休み明けでしたし、次はG1レベルで頑張ってくれると思います」と前を向いたように、本番は先であることを考慮すれば2着は上々の結果といえるだろう。
だが、その一方でルメール騎手にとっては「勝っておきたかった一戦」だったかもしれない。
「実はルメール騎手の(今年の)重賞勝ちがまだないんですよね。今回の金鯱賞で14戦未勝利。今週は土曜の中山牝馬S(G3)でも1番人気のフィアスプライドに騎乗していました(9着)し『さすがに、そろそろ勝つか』と期待していましたが、またも空振りに終わってしまいました」(競馬記者)
昨年はJRAだけでもG1・7勝を含む、重賞18勝と勝ちに勝ちまくったルメール騎手。しかし、今年の重賞では1月から7度の1番人気がありながら、2着4回、3着2回と寂しい結果に終わっている。
「思い出されるのは、やはり一昨年の2022年ですね。重賞初騎乗となったシンザン記念(G3)で単勝1.8倍のラスールで敗れると、そこからあれよあれよの連敗劇。“あの”ルメール騎手だけに周囲も『いずれ勝つだろう』とあまり気にしていませんでしたが、気が付けば春のG1シーズンが開幕しても未勝利のまま……。
初勝利を挙げたのはスターズオンアースで勝った5月のオークス(G1)。川田騎手で桜花賞(G1)を勝ちながら、異例の乗り替わりで巡ってきたチャンスでしたが、もしあれがなければ8月のキーンランドC(G3)になるところでした。
結局、この年のルメール騎手は年間を通じて歯車が噛み合わずに重賞も5勝だけ。リーディング5位の109勝に終わって、川田騎手に首位を明け渡したことで連続リーディングもストップしてしまいました。今年は、ここまで首位を走るリーディング争いこそ順風満帆といった感じですが、肝心の大レースの方は少し心配です」(別の記者)
この日は単勝1.9倍のドゥレッツァで敗れてしまったこともあって「ルメールってまだ重賞勝ってないよね?」「まるで別人なんだが」「ルメール騎手はまだ冬眠中か」など、一部のファンの間でもルメール騎手を心配する声が……。
中には「イクイノックス・ロスかも?」と昨年末に引退した盟友の存在を挙げる声もあった。
最愛のアーモンドアイが引退した翌年は?
ちなみにアーモンドアイが引退した翌年の2021年は1月からフェアリーS(G3)、京成杯(G3)、アメリカジョッキークラブC(G2)と、いきなり重賞3勝を挙げたルメール騎手。最終的にG1・5勝を含む年間重賞17勝と、アーモンドアイ・ロスを感じさせない活躍ぶりだった。
先日、YouTubeの「JRA-VANチャンネル」で公開された『【100の質問】C.ルメール騎手 前半戦』で「暑いのと、寒いのではどちらが好き?」という質問に「暑い」と答えていたルメール騎手。やはり寒いのは苦手なようだが、そろそろ本来の勝負強さを取り戻しておきたいところだ。