【フラワーC(G3)】カニキュル「コーナーで加速できるタイプではない…」カンティアーモ「口向きの難しさが残っているよう」牝馬クラシックを見据える陣営の“極選現場情報”
16日に中山競馬場で開催されるフラワーC(G3)。桜花賞(G1)、オークス(G1)など、関東馬の牝馬クラシック路線における前哨戦として位置付けられているため、今年も多くの有力馬が集結した。
そんな一戦で虎視眈々と上位を狙う陣営の情報が編集部に届けられた。今回はその一部を紹介しよう。
新たに戸崎圭太騎手を鞍上に迎えて、重賞に初挑戦するカニキュル(牝3歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)。
デビュー戦は中山・芝2000m戦。先行馬を見る形で3番手で進むも、最後の直線での追い比べに敗れて2着に終わった。だが続く2歳未勝利(東京・芝2000m)では前走とは違い、後方に控える競馬を展開。最後の直線で上がり最速34秒1の豪脚を繰り出すと、2着に2馬身半差を付けて完勝している。
「稽古の動きなどを見る限り、仕上がりは良さそうです。ただ、『コーナーで加速できるタイプではないので、中山競馬場という舞台で力を発揮できるのかが不安材料』と、菊沢師はあまりテンションが上がっていませんでした」(美浦関係者・A)
真の力を発揮するのはこの舞台ではない!?
カンティアーモ(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)は気性面が懸念事項だ。
初戦(新潟・芝1800m)では、川田将雅騎手を背に1分46秒4の2歳レコードV。だが、2戦目のデイリー杯2歳S(G2)では果敢に牡馬に挑むも、後方からの末脚が不発に終わり、6着に敗れている。
「新馬戦後に川田騎手が、『まだまだコントロールが難しい』と語っていましたが、その懸念事項はまだ改善されておらず、ハミを取ったり取らなかったり、口向きの難しさが残っているようです。中山・芝1800mはコーナーを4回も曲がるため、器用さが求められます。この辺りをどう補うのかが鍵になるでしょうね」(美浦関係者・B)
今回から手綱を握るC.ルメール騎手はカンティアーモを勝利に導けるか。
ホーエリート(牝3歳、美浦・田島俊明厩舎)はジャイアントキリングを狙う。
これまで4戦1勝。しかもトリッキーなことで知られる中山競馬場の経験もない。成績面を見る限り、強調材料はないものの、スタッフの鼻息は荒いという。
「動きや状態はいいですね。追い切りでも古馬と併せて、直線半ばで併走馬の前に出ると、そのまま抜かさせず2馬身差をつけて先着。スタッフも『ホーエリートの方が、余裕があった』と語り、レースでも騎乗する原優介騎手も『楽に進めることができました』と手応えを掴んでいたようです」(美浦関係者・C)
原騎手は若手騎手のなかでも活躍が目立つひとり。その勢いでホーエリートと勝利の美酒に酔えるか。
マルコタージュ(牝3歳、美浦・小島茂之厩舎)はここで存在感を示したい。
新馬戦では好位で運ばれると、最後の直線で先頭へ。外から脚を伸ばしてきたルージュランブルに並ばれるも、叩き合いをハナ差で制してうれしいデビュー戦Vを達成した。
「状態としては上向いています。ただキャリア1戦なので、まだ精神的な不安定さを残す面も。重賞の舞台でどれだけやれるか試金石的な意味合いを持つ1戦です」(美浦関係者・D)
あまり人気しないと見られているが、人気上位陣に食い下がれるか。
ここを勝ち、牝馬クラシックに向かうのはどの馬になるのだろうか。発走は15時45分を予定している。