千葉ロッテ吉井理人監督「愛馬」がJRAで初出走初勝利! 馬主デビューのきっかけになった母の仔で中央競馬を席巻?

 23日の阪神8Rに行われた4歳上1勝クラス(ダート1800m)は、5番人気のリジン(牡5歳、栗東・宮本博厩舎)が最後の直線で激しい追い比べを制し、浦和からのJRA転入初戦を白星で飾った。

 リジンを所有するのはプロ野球・千葉ロッテマリーンズの吉井理人監督だ。選手として1997年にはヤクルトスワローズで日本一に貢献し、日本とアメリカ7球団で活躍。球界を代表する投手だった。

 この勝利にSNSでは「リジン(理人)勝った」「吉井監督から、おこづかいもらった」「吉井監督おめでとう、そしてありがとう」と、吉井監督の所有と知っていたファンから祝福とお礼が書き込まれた。

 リジンは美浦の高橋文雅厩舎に所属していたが、デビュー前に骨盤の腸骨を骨折。中央競馬ではデビューを迎えられず、浦和競馬へ移籍した。

 それでも2022年10月にデビューすると、破竹の5連勝を達成。地方成績7戦5勝2着2回の成績を引っ提げ今年2月にJRAへ再転入。そして今回、見事に勝利を飾った。

 鞍上の幸英明騎手は「吉井さんがメジャーリーガーの時から知り合いで、今回ご指名をいただけて光栄です」と喜び、宮本調教師も「気性の難しい馬だから本当に勝ってくれて良かったです。今後は、馬の様子を見ながら考えます。ゼッケンはオーナーに送ります」と、この日は午後2時からバンテリンドームナゴヤで中日ドラゴンズとのオープン戦があったため、愛馬の歓喜の瞬間に立ち会えなかったオーナーを気遣った。

 吉井オーナーにとっても、リジンの母フォーシームは自身が所有した初めての競走馬。特別な1勝になっただろう。

馬主デビューのきっかけになった母の仔で中央競馬を席巻?

「フォーシームは生まれつき脚が曲がっていて、競走馬として活躍は難しいとされていたそうですが、吉井氏がゆくゆくは繁殖牝馬になってほしいという想いから馬主資格を取得して所有した馬。その初仔で4年ぶりの中央競馬勝利は格別だったでしょう」(競馬記者)

 趣味が高じて馬主になるプロ野球選手は多くいるが、元メジャーリーガーの佐々木主浩氏がその筆頭だろう。

 3頭のG1馬(ヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロス)を所有していたのは有名な話だが、その母馬でもあるハルーワスウィートは尻尾がない珍しい競走馬だった。佐々木氏はそれに一目惚れし、ハルーワスウィートやその産駒を全て所有してG1を勝利するまでになったが、吉井氏とフォーシームの出会いにも少し通ずるものを感じてしまう。

「浦和からの転入初戦ではありましたが、初の距離や馬場などを乗り越えての勝利。今後が楽しみな1頭だと思います。中央でいきなり勝てたのは力がある証拠でしょう」(同)

 昨年は監督初挑戦にも関わらずAクラスの2位で優勝を狙えるところまでいき、今年こそは野心を燃やしているはずだ。今年のオープン戦は11位と躓いているが、昨季2位から頂点を目指す就任2年目の指揮官にとって、愛馬の勝利は幸先のいいニュースとなったに違いない。

 今後も監督業と馬主業の「二刀流」での活躍を大いに期待したい。

GJ 編集部

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