C.ルメール「12戦全敗」で連覇に審議ランプ点灯?ライバル川田将雅は7勝の猛チャージ…ドバイワールドカップデーで注目の直接対決
今年はどちらに軍配が上がるだろうかーー。
先週の開催を終えたリーディング争いは、46勝を挙げたC.ルメール騎手がトップ。これを41勝の川田将雅騎手が5勝差で追う状況だ。
これに35勝で3位の戸崎圭太騎手、31勝で4位の坂井瑠星騎手らが続いているが、近年のリーディングジョッキーは、2017年からルメール騎手が6回、川田騎手が1回と両者の一騎打ちといえる状態である。
ただ先週の開催前で34勝の川田騎手に対し、46勝のルメール騎手が12勝差をつける独走。これまでは先にリードを奪って逃げ切りを図る川田騎手を、ルメール騎手が夏から秋にかけて捕まえるパターンが多かっただけに、いつもより早い段階でルメール騎手のリーディングに「確定ランプ」が灯りそうな雰囲気もあった。
リーディング独走の王者がまさかの急ブレーキ
しかし今年の川田騎手については、これまでと少し違うのかもしれない。
先週の土曜阪神で3鞍に騎乗して1勝2着2回とまずまずの成績を残すと、高松宮記念(G1)が開催された日曜中京で大爆発。この日に行われた12Rのうち、10Rに騎乗して【6.0.0.4】と勝ち星を荒稼ぎしてしまった。もちろん、騎乗した馬は上位人気が多かったとはいえ、それは“川田人気”が後押しした影響もあるだろう。終わってみれば土日合わせて【13戦7勝】と5割を超える勝率だったのだから凄まじい成績だった。
「先週末の開催は川田騎手を買っておけば間違いないという感じで絶対的な信頼感がありました。目についたのは道中のポジション取りの巧さです。雨の影響で前残りする馬場を意識した積極策も目立ちましたし、仕掛けるタイミングもほぼ完璧。馬券を買う側も川田で負けたら仕方がないと思えるほどでした。
高松宮記念のママコチャは外枠が響いて凡走しましたが、レース後のコメントで川田騎手が本来の走りではなかったと振り返っていたように、馬の状態面に不安があったことも凡走した一因でしょう。しっかりとやることはやってくれているため、ママコチャの馬券を購入したファンも納得できたかもしれませんね」(競馬記者)
これに対し、ライバルのルメール騎手はまったくのいいところなし。土曜阪神で4鞍(1番人気3頭、2番人気1頭)に騎乗して2着が2回。日曜中京も上位人気馬を含む8鞍に騎乗したものの、2着1回3着2回と振るわず。土日合わせて12戦惨敗という屈辱を味わった。
その結果、12勝もあった両者の差は一気に5勝差。川田騎手は再び王者を射程圏に捉えるところまで巻き返しに成功した。これによってルメール騎手の確定ランプは審議に変わった。互いをリスペクトしている両者のデッドヒートは、これから始まる春のクラシックでも非常に楽しみである。
今週末はドバイワールドカップデーの関係もあり、日本国内で彼らの騎乗予定はないものの、ドバイシーマクラシック(G1)でルメール騎手がスターズオンアース、川田騎手がリバティアイランド、ドバイワールドC(G1)でルメール騎手がデルマソトガケ、川田騎手がウシュバテソーロに騎乗する。海の向こうで繰り広げられるライバル同士の熱い戦いにも注目だ。