藤田菜七子「切磋琢磨できれば」人気薄に超久々の白星をもたらした「弟弟子」の活躍も刺激? 積極策から今年2勝目をマーク
積極策で今年2勝目をマーク
6日、中山最終12Rの4歳以上1勝クラス(ダート1200m)は、逃げた4番人気スマイルアップ(牝5歳、美浦・萱野浩二厩舎)が勝利。鞍上の藤田菜七子騎手は今年の2勝目をマークした。
五分のスタートを切ったスマイルアップと藤田騎手は気合をつけてハナへ。そのまま最後の直線を迎えると、後続を突き放す二枚腰を披露。追い上げを図る各馬を尻目に、最後は2着に1馬身1/4差をつけてゆうゆうと押し切った。
同馬を2年5ヶ月ぶりの勝利に導いた藤田騎手は「タイミングよく(ゲートを)出てくれました。その後はハナへ行ってリズムよく運べましたし、最後までよく走ってくれました」と、パートナーの力走を称賛している。
そんな藤田騎手といえば、昨年11月から今年3月にかけて4ヶ月以上も勝ち星に見放される大型連敗も経験。先月17日にようやく今年の初白星を挙げると「なかなか勝てずに苦しかったが、ここからもっと勝っていけるように頑張りたい」と話し、ウイナーズサークルで久々のナナコスマイルを弾けさせていたことは記憶に新しい。
それからあまり間を置かずに今年2つ目の勝ち星を手中に収めた。まさに有言実行と言わんばかりだか、これは弟弟子・長浜鴻緒騎手の活躍も刺激となっていそうだ。
「弟子同士で切磋琢磨できれば」
これまで所属する根本康広厩舎には丸山元気騎手、野中悠太郎騎手と2人の兄弟子がいたものの、後輩がいたことはなかったため長浜騎手は藤田騎手にできた初めての弟弟子である。
ちなみに藤田騎手は昨夏、『優馬』の取材に「長浜くんという騎手候補生がいて、身近に弟弟子がいるのをとても新鮮に感じています」「見本になるという意識を今まで以上に身を以て感じますし、騎手になってからも弟子同士で切磋琢磨できればと思います」と、弟弟子ができたことによる心境の変化について回答していた。
その長浜騎手は先月、JRA騎手デビュー。9日にはさっそく初勝利を決めており、インタビューの際にプラカードを掲げていたのが先輩の藤田騎手だった。
長浜騎手はこの日も中山で1日2勝の活躍。特に8Rでは藤田騎手も騎乗経験のある自厩舎のネイチャーシップに跨ると、9番人気という低評価を覆して2年11ヶ月ぶりとなる白星をもたらしていたのだから、藤田騎手も姉弟子として燃えないワケにはいかなかったはずだ。
「この日は藤田騎手と長浜騎手の兄弟子である丸山騎手も、福島12Rで勝利を挙げていました。ルーキー長浜騎手の活躍は、根本厩舎に所属する他のジョッキー3人にもいい意味で刺激を与えそうですね」(競馬誌ライター)
また長浜騎手は7日も中山で1日2勝を挙げており、土日で計4勝の固め打ち。藤田騎手も弟弟子には負けじと、これから競い合うように勝ち星を伸ばしてくれることを期待したい。