【オークス】ステレンボッシュの春二冠「阻止」へ、「別路線組」の有力馬をピックアップ!
ステレンボッシュの完勝に終わった今年の桜花賞(G1)。二冠目のオークス(G1)は来月19日に開催され、舞台は東京・芝2400mへと替わるが、もはや牝馬二冠は約束されたようなものといっていいのではないか。
というのも最大のライバルであるアスコリピチェーノは、距離の不安を抱えるダイワメジャー産駒ということもあり、800mの距離延長がプラスになるタイプではない。また桜花賞は阪神ジュベナイルF(G1)の1着2着が入れ替わっただけの結果。3着以下に敗れた馬の中に、樫の舞台で桜の女王を逆転できそうな馬も正直いって見当たりそうにない。
最後の直線で上がり3ハロン最速となる32秒8で追い上げた3着馬ライトバック、同2位の33秒0をマークした4着スウィープフィートあたりは、直線の長い東京でさらなる前進に期待できそうだが、こちらについてはステレンボッシュも同じである。
なんせ同馬はダービー馬ディープインパクトと同じウインドインハーヘアの一族であり、父はジャパンC(G1)勝ち馬エピファネイアである。既に赤松賞(1勝クラス)でも抜群の適性を見せたように問題なし。もしアスコリピチェーノが、距離延長を嫌ってNHKマイルC(G1)に矛先を向けるようなら、もはや向かうところ敵なしといえそうだ。
となると、勝負付けが済んだ感のある桜花賞組よりも、ステレンボッシュと直接対決がまだない別路線組に期待せざるを得なくなる。そこで今回は、オークスに駒を進めてくれば面白い存在となりそうな馬を4頭ほどピックアップしてみたい。
■アドマイヤベル(父スワーヴリチャード、母ベルアリュールII 美浦・加藤征弘厩舎)
まだ1勝クラスの馬だが、本番に出走してくれば面白そうなのがアドマイヤベルだ。G1馬アドマイヤリードの半妹という良血も然ることながら、ここまですべて1800m以上のレースに使われていることからも陣営がオークスに照準を合わせていることが窺える。
ここ2戦は3、2着と敗れているが、2走前は牡馬クラシック路線でも有力馬の1頭であるアーバンシックと0秒4差。牝馬には一度も先着を許しておらず、フラワーC(G3)でミアネーロから3/4馬身差の2着ホーエリートにはここ2戦で大きく先着。オークスの出走権をかけて21日のフローラS(G2)に出走を予定している。
■タガノエルピーダ(父キズナ、母タガノレヴェントン 栗東・斉藤崇史厩舎)
桜花賞と同日、阪神で行われた忘れな草賞(L、芝2000m)を2馬身半差で完勝。もともと昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)で牡馬に挑み、G1・6勝の名牝グランアレグリア以来となる3着に好走していた実力馬。惜しくも桜花賞の出走は逃したが、距離を延ばして本領発揮となった。
忘れな草賞の勝ち馬といえば、過去にラヴズオンリーユー、ミッキークイーン、エリンコート、エリモエクセル、チョウカイキャロルがオークスを制したことでも知られる。過去のオークス馬に比べるとスケール感で見劣るが、一発に期待したいところだ。
■ミアネーロ(父ドゥラメンテ、母ミスエーニョ 美浦・林徹厩舎)
先月行われたフラワーCの勝ち馬。勝ちタイムの1分48秒0は同レースで歴代2位となる好時計。1800m以上の距離では2戦2勝と底を見せていない未知の魅力を秘めた1頭だ。
また同馬を推せる何よりの材料がドゥラメンテ産駒であることだ。同馬はスターズオンアースとリバティアイランドでオークス連覇中と、このレースに抜群の実績を誇るだけに不気味な存在だ。
■レガレイラ(父スワーヴリチャード、母ロカ 美浦・木村哲也厩舎)
実績的には桜花賞でG1馬の仲間入りをしたステレンボッシュ以上といえるのがレガレイラだ。昨年のホープフルS(G1)ではシンエンペラーやサンライズジパングといった牡馬クラシックの有力馬を一蹴。桜花賞をパスして臨む今週末の皐月賞(G1)でも有力候補と目されている1頭である。
ホープフルSを優勝してすぐ、牝馬の桜花賞ではなく牡馬相手の皐月賞に直行することを発表したことから、日本ダービー(G1)に出走する可能性も高いだろう。ただ皐月賞の結果次第では、オークスという可能性もゼロではない。ダ-ビーに比べ1週早く開催されるため、現実的ではないかもしれないが、もし出走してくるようならアスコリピチェーノ以上に厄介な相手となる。
以上が現時点でステレンボッシュとは未対戦であり、オークスに出走してくれば勝ち負けも含めて面白い存在となりそうな4頭だ。これらの馬が二冠制覇に待ったをかけるのか、あるいは返り討ちとなるのか……答えはおよそ一ヶ月半後に出ることとなるだろう。