【皐月賞】「急失速」スワーヴリチャードにとっても正念場?レガレイラ、アーバンシックの“そっくりさん”対決も実現…「早熟疑惑」払拭かかる大一番
牝馬クラシック第一冠の桜花賞(G1)が終わり、今週末は牡馬クラシック第一冠の皐月賞(G1)が開催される。
阪神の芝1600mから中山の芝2000mへと舞台の替わる一戦だが、こちらも主役を務めるのは牝馬のレガレイラ(牝3、美浦・木村哲也厩舎)だ。
昨年は阪神ジュベナイルF(G1)には向かわず、ホープフルS(G1)に出走して牡馬を撫で切り。近年は男勝りの牝馬が活躍する時代へと変わったが、本馬もまた女傑として歴史に名を刻むこととなった。
勝てば76年ぶりの偉業もかかるレガレイラが出陣
ただ皐月賞には、牝馬が勝てば76年ぶりの偉業という歴史も立ちはだかる。2017年にはデビューから無敗の3連勝でファンディーナが挑み、ファンも1番人気に支持したものの7着に終わった。今年のレガレイラはこの高いハードルを乗り越えられるか。
また、今年の皐月賞にはレガレイラの“そっくりさん”も同じく出走する。それは横山武史騎手とのコンビで参戦を予定しているアーバンシック(牡3、美浦・武井亮厩舎)のことである。
いずれも父がスワーヴリチャード、母父ハービンジャーというだけでなく、母母もランズエッジ。それもそのはず、レガレイラの母ロカとアーバンシックの母エッジースタイルは全姉妹だからだ。つまり、血統構成的には母の名前以外が同じとなる。兄弟や姉妹の対決は時折見掛けることもあるが、これほど近親の同世代がG1で相まみえるのは非常にレアケースだろう。
上位人気に支持されそうな2頭だが、父スワーヴリチャードにとってもちょっとした正念場となるかもしれない。昨年に2歳世代(現3歳)が目覚ましい活躍を見せたことにより、2024年度の種付け料が前年の200万円から一気に7.5倍の1500万円に設定されたことで話題となったことは記憶に新しい。
父スワーヴリチャードにとっても今後を占う一戦
ただ年末に近づくにつれ勢いが失速し、強気に映る価格設定が勇み足だったのではないかという声もチラホラ聞こえ始めていたことも事実。そんな不安の声をシャットアウトしたのが、レガレイラのホープフルS優勝だったといっていい。
しかし、この“早熟疑惑”はまだ完全に払拭されたとは言い難い。
というのも、今年に入ってもスワーヴリチャード産駒の勢いは落ち続けているからだ。
昨年6月から年末までの成績は【25-17-22-87/151】の勝率16.6%だが、 今年の1月から4月7日までの成績では【6-7-7-77/97】の勝率6.2%まで落ち込んでいる。種牡馬リーディング(2021年生まれ世代、勝利度数順)も4位から27位と大きく順位を下げてしまった。こういったデータ的な側面でも成長力に不安を残す結果だったといえよう。
それだけに皐月賞へ出走する2頭は、父の疑惑を晴らすためにも結果が欲しいところである。昨年末はレガレイラがG1勝利という満点回答を出してくれた。現役時代の父が6着に敗れた大一番で、どちらかが再び父の救世主となってくれるだろうか。