武豊、C.ルメール、川田将雅らも一度だけ! 急遽の代打・北村宏司に「最高級の栄誉」レガレイラ1番人気ならグレード制導入以降5度目の快挙
レガレイラの「鞍上」が決定
11日、昨年のホープフルS(G1)の勝ち馬で皐月賞(G1)に出走するレガレイラ(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)の鞍上が北村宏司騎手に決まった。所属するサンデーレーシングの公式ホームページで発表されている。
主戦のC.ルメール騎手が先月のドバイワールドカップデーで落馬負傷したため、鞍上が注目されていたレガレイラ。皐月賞の出走馬と枠順が正式決定するこの日を迎え、ようやく代役が決まった格好だ。
「ルメール騎手が落馬負傷したのが先月30日、チェルヴィニアに騎乗予定だった先週の桜花賞(G1)では、短期免許で来日中のB.ムルザバエフ騎手が空いていたため比較的あっさり決まった印象でしたが、有力ジョッキーが軒並み埋まった皐月賞では陣営も苦労したと思います。
レガレイラといえば、牝馬ながらに昨年のホープフルSを勝った世代のトップホース。ここ数年でもサートゥルナーリアやコントレイルが、ここと皐月賞を連勝しているだけに、この馬が1番人気になっても不思議ではないほどの大物です。それだけ代役選びにも慎重にならざるを得なかったでしょうし、ギリギリの発表になったのも陣営が最後まで様々な可能性を追っていたからでしょう。
そんな中、レガレイラの1週前追い切りに騎乗していたのが北村宏騎手です。“滑り止め”というか、押さえのジョッキーといえば聞こえは良くないかもしれませんが、逆にいえば北村宏騎手が控えていてくれたからこそ、陣営もギリギリまで可能性を追えたという事実もあります。いずれにせよ北村宏騎手にとっては先週に引き続き、大きな勝負レースになりました」(競馬記者)
1番人気ならグレード制導入以降5度目の快挙
記者がそう話した通り、北村宏騎手といえば先週の桜花賞で1番人気のアスコリピチェーノに騎乗。結果は惜しくも2着だった。もし、今週の皐月賞でレガレイラが1番人気に推されれば「牡馬・牝馬のクラシック開幕戦で1番人気に騎乗」という快挙になる。
ちなみに前回「桜花賞、皐月賞共に1番人気馬に騎乗」したのは、2016年のルメール騎手だ。2歳女王メジャーエンブレムに騎乗した桜花賞で4着、サトノダイヤモンドに騎乗した皐月賞では3着とあと一歩及ばなかったが、後に前者はNHKマイルC(G1)、後者は菊花賞(G1)と有馬記念(G1)を勝利している。
その前は2014年の川田将雅騎手。ハープスターで挑んだ桜花賞を勝利し、トゥザワールドで挑んだ皐月賞でも2着と連対を確保。連勝とはいかなかったが、1番人気の面目を保つ好騎乗だった。
また、こういった記録に必ずと言って良いほど名が挙がる武豊騎手も「アドマイヤ軍団」で2006年に経験済み。こちらはアドマイヤキッスの桜花賞で2着、アドマイヤムーンの皐月賞で4着だった。
1997年の松永幹夫騎手(現・調教師)の名を挙げることができれば、相当な競馬通ではないだろうか。キョウエイマーチの桜花賞では2歳女王メジロドーベルを撃破、皐月賞のメジロブライトは4着だった。
以上、1984年のグレード制導入以降で4例しかないレアな記録だが、意外にも桜花賞と皐月賞を連勝はなかった。
北村宏騎手には極めて大きな期待と重圧がかかる2週間だが、これだけジョッキー冥利に尽きることもそうはない。経験豊富なベテランジョッキーの手腕は、牡馬クラシック開幕戦の大きな注目ポイントになりそうだ。