【皐月賞】レガレイラ「38年未勝利」の鬼門も心配ご無用?5枠10番に「絶望的データ」もシンボリルドルフ、ミスターシービーが不安を払拭

 ステレンボッシュが2歳女王アスコリピチェーノとの叩き合いを制した桜花賞(G1)が終わり、今週末は舞台を阪神から中山へと移し、牡馬クラシックの皐月賞(G1)が開催される。

 ただ牡馬クラシックとはいえ、牝馬の出走も可能だ。実際、今年の皐月賞で主役候補と目されるレガレイラ(牝3、美浦・木村哲也厩舎)もまた牝馬である。

 主戦のC.ルメール騎手が落馬負傷で離脱した関係で鞍上問題が発生したものの、最終的に発表されたのは北村宏司騎手とのコンビ。追い切りでも騎乗していた相手だけに、妥当な人選といったところか。

5枠10番の馬が38年未勝利の絶望

 少し気になるとすれば、桜花賞のアスコリピチェーノに続き、2週連続でG1の1番人気馬に騎乗するかもしれないことか。こう言っては失礼だが、派手さのない騎手なので少々違和感もある。先週に関しては神懸かり的な好騎乗を見せたJ.モレイラ騎手に勝利をさらわれただけで、北村宏騎手も責められるほどの内容ではなかったはずである。

 それに昨年のホープフルS(G1)で牡馬を蹴散らしたレガレイラの実力を疑う必要もなさそうだ。2017年に1番人気で7着に敗れたファンディーナの例はあるが、こちらは牝馬限定のフラワーC(G3)からの臨戦。すでに同じ中山の芝2000mでG1を勝っているレガレイラを同一視するのは危険だろう。

 とはいえ、データ的な側面を考慮した場合、不安材料がないという訳でもない。

 ただでさえ、牝馬が優勝すれば76年ぶりの快挙という情報が大きく採り上げられているが、5枠10番に入ったレガレイラにとって不吉な予兆となりかねないのが、「5枠」「10番」の馬が苦戦しているデータだ。では以下をご覧いただきたい。

■皐月賞(1986年以降)

枠番別成績
1枠 6-5-8- 53/ 72
2枠 4-4-3- 65/ 76
3枠 5-4-3- 65/ 77
4枠 4-5-6- 63/ 78
5枠 0-5-3- 70/ 78★
6枠 4-3-6- 66/ 79
7枠 7-5-5- 94/111
8枠 8-7-5- 89/109
馬番別成績
1番 4-1-5- 26/ 36
2番 3-4-3- 28/ 38
3番 2-2-2- 32/ 38
4番 1-2-1- 34/ 38
5番 2-2-0- 34/ 38
6番 3-2-3- 30/ 38
7番 4-5-2- 27/ 38
8番 0-0-4- 33/ 37
9番 0-3-1- 34/ 38
10番 0-1-2- 35/ 38★
11番 1-2-3- 31/ 37
12番 3-1-2- 32/ 38
13番 1-2-2- 33/ 38
14番 5-4-2- 27/ 38
15番 1-0-2- 35/ 38
16番 2-2-3- 30/ 37
17番 1-1-0- 33/ 35
18番 3-3-2- 27/ 35

 ご覧の通り、「5枠」も「10番」も未勝利だ。2000年以降どころか1986年まで遡っても勝っていないのだから38年間と長い。こういった説得材料を目にすると不安に駆られるのも分からなくはないが、これには“ちょっとしたカラクリ”もあるのだ。

 それはつまり1986年からのデータである点。GJを含め各メディアでもこの86年以降という条件を目にしたことがある読者も多いだろうが、それもそのはず。それはJRA-VANが提供しているデータが86年以降だからに他ならない。

 そこで思い浮かぶのは当然ながら85年以前はどうだったのかということ。念のため確認してみたのだが、意外な結果が分かったのでお知らせしておきたい。

■皐月賞優勝馬

1983年 5枠12番ミスターシービー
1984年 5枠10番シンボリルドルフ
1985年 5枠13番ミホシンザン

 むしろ85年以前には5枠の馬が3連勝しており、皇帝シンボリルドルフという点は引っ掛かるが10番の馬も優勝していたということだ。確かに76年ぶりの数字に重みは感じるものの、G1を勝っているレガレイラも同じかとなると話は別。後は北村宏騎手の腕次第といったところか。

GJ 編集部

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