【マイラーズC】団野大成がソウルラッシュで代役V!安藤勝己氏、田原成貴氏も安田記念に好感触…「申し訳ない気持ちです」元主戦が悔やんだ2年前の大失態
陣営の悲願であるG1タイトル奪取を予感させる快勝だった。
21日、京都競馬場で行われたマイラーズC(G2)は、1番人気の支持に応えたソウルラッシュ(牡6、栗東・池江泰寿厩舎)が優勝。人気を二分したライバルのセリフォスに1馬身3/4差をつける完勝で、大目標の安田記念(G1)に向けて好発進を決めた。
好騎乗でパートナーの勝利を呼び込んだ団野大成騎手だが、ソウルラッシュとは今回が初コンビながら満点回答で陣営の期待に応えた。
デビュー6年目の若手が好騎乗で満点回答
「昨日依頼を頂いてから過去のレースを振り返る時間があったので、何走かこの馬のレースを見ましたが、ある程度イメージはつきましたし、馬場どうこうよりもこの馬がリズム良く行ければ結果はついてくるかなと思っていました。今日無事に勝てて良かったなとホッとしています」
会心の勝利を団野騎手がそう振り返ったように、当初本馬に騎乗を予定していた松山弘平騎手が、前日の土曜京都4Rでカズアブディーンに騎乗した際、ゴール入線後に落馬して負傷したため、急遽代打を任されての騎乗だった。経緯はともかくとして、乗れる若手騎手として売り出し中の団野騎手にとっても、関係者に絶好のアピールとなったのではないか。
この勝利には元JRA騎手の大御所2人も人馬を称賛。安藤勝己氏(@andokatsumi)
は「ソウルラッシュ。鬼に金棒の馬場になったし、明らかな晩成タイプ」、田原成貴氏(@tabaraseiki0115)は「団野ジョッキーも急遽の乗り替わりだったけど責任を果たす上手い騎乗だった!」と、それぞれのSNSで人馬にエールを送っていた。
「スピードとパワーを兼ね備えたソウルラッシュだけに、稍重もまったく苦にしませんでしたね。ゴール前では後続が突き放されたように一枚上の勝ち方。馬体の充実ぶりも際立ちますし、本番でも好走を予感させる内容だったと思います。
ただ、個人的には過去に主戦騎手を任されていた浜中俊騎手が、少し可哀想だなとも思いました。ここまでコンビを組んだ騎手で最多4勝を挙げていますし、相性も悪くなかった気がします。それだけにコンビ解消の決定打となった安田記念の敗戦が惜しまれますね」(競馬記者)
「申し訳ない気持ちです」元主戦が悔やんだ2年前の大失態
思い返せば、2年前のマイラーズCで初重賞制覇したときにコンビを組んでいたのは、当時ソウルラッシュの主戦を任されていた浜中騎手だった。
レース後のコメントでも「次のG1にも更に期待を持って挑めると思うので、僕自身、楽しみにしています」と力の入った大一番だったが、最後の直線で残り400mを切ったあたりで前が壁となって満足に追えることなく不完全燃焼の13着に惨敗。これには本人も「上手く自分が誘導できませんでした。申し訳ない気持ちです」と悔やむしかなかった。
しかし、勝負の世界はドライな側面もある。この敗戦をよほど腹に据えかねたのか、ソウルラッシュ陣営は次走から松山騎手へと鞍上をスイッチ。あれから約2年の月日が経過した現在でも、かつてのパートナーとのコンビ復活はないままである。
そんな折、松山騎手の負傷でチャンスの巡ってきた団野騎手が、いきなり“オイシイところ”を持っていったレースで浜中騎手は12番人気リューベックに騎乗して14着。ソウルラッシュの実力を高く評価していた元主戦としては心中複雑だったかもしれない。