「ニューヒロイン候補」小林美駒が見せた著しい成長!リーディング争いに敗れても勝負強さでベテランを圧倒…女性騎手戦線に「新時代到来」の予感

丹内祐次騎手 撮影:Ruriko.I

 マイラーズC(G2)をソウルラッシュ、フローラS(G2)をアドマイヤベルがそれぞれ制した先週末。今週の天皇賞・春(G1)から怒涛の6週連続G1開催を控える中、21日に今年の第1回開催を終えたのが福島競馬だ。

 6勝を挙げて見事福島リーディングを獲得したのは、「リーディングを獲れて良かったです。福島の温泉と食べ物に元気を貰いました。ありがとうございました」と喜びのコメントを残した丹内祐次騎手。デビュー21年目を迎えたベテラン騎手の熟練の技が光るタイトル獲得だった。

 近年は勝ち星も増え、先週の開催終了時点の関東リーディングで戸崎圭太騎手、横山武史騎手に次ぐ3位。快進撃の裏には結婚という一大イベントの影響もありそうだ。

関東のベテランが裏開催で存在感を発揮

 ただ、今回福島リーディングを獲得したとはいえ、勝利数で単独トップの独走だった訳でもない。

 丹内騎手は勿論のこと、それ以上に競馬ファンに強烈なインパクトを残したのが、同じく6勝で2位の小林美駒騎手である。惜しくも2着の数でタイトルは逃がしたものの、同じ女性騎手の永島まなみ騎手やブレイク中の先輩騎手を押しのけて、丹内騎手とトップを争ったことは非常に価値がある。

「今年に入って小林美騎手の躍進は本当に素晴らしいです。6勝タイで2位にはなりましたが、丹内騎手に勝るとも劣らない内容だったと思います。今年の福島で騎乗した騎手で最も騎乗数の多い48鞍の丹内騎手に対し小林美騎手は29鞍。連対率と複勝率こそ後れを取りましたが、勝率では丹内騎手の12.5%を大きく上回る20.7%でした。

個人的に目を引いたのは、2着が一度もなかったように勝利を意識した攻めの姿勢です。特に印象的だったのは最終日の日曜福島ですね。1日3勝を挙げて大爆発しましたが、メインレースで演じた両者のデッドヒートは見応え十分でした。ライバルの永島騎手との差も2勝と詰めており、この勢いが続けば逆転も視野に入りそうです」(競馬記者)

 記者を唸らせたのは、福島11Rの福島中央テレビ杯(2勝クラス)。16頭立てで行われた芝1200m戦は、どの馬も実力拮抗の難解な一戦だった。そんなレースで果敢にハナを取り切ったのが小林美騎手とアシャカタカのコンビ。前後半3Fを34秒2-34秒5の絶妙なペース配分で逃げ切り勝ちを決め、外から猛追した丹内騎手のトーセンエスクードの追撃を封じて勝利した。

永島まなみ騎手とのニューヒロイン対決は注目

小林美駒の成長は永島まなみにとっても脅威

 9番人気の穴馬が波乱を起こしたことにより、この日発売されたWIN5の配当も一気に跳ね上がった。このレースの前に5万以上残っていた票数も2778票まで激減。3番人気の丹内騎手が勝っていれば的中していたファンも少なくなかっただろう。

「前走で武豊騎手が騎乗して逃げ切ったように、この馬は逃げるのが1番だと思っていました。ただ、相手が強いので、出たなりで考えようと思っていたら、抜群のスタートを切ってくれました。最後も馬がよく応えてくれて、接戦にもうまく対応してくれました」

 小林美騎手がレース後のコメントでそう振り返ったように、コンビで連敗の続いていたパートナーを前走で勝利に導いたレジェンドの騎乗から学んだことをしっかり実行。女性騎手の減量特典のない特別戦で58キロを背負って結果を残した。

 藤田菜七子騎手に続くニューヒロイン候補としてブレイクしかけた今村聖奈騎手が伸び悩んでいることもあり、今年の女性騎手によるリーディング争いは、早くも永島まなみVS小林美駒の二強時代に突入しつつある。

GJ 編集部

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