“ルメール依存症”が日本ダービーにも影響?春のG1シーズンで思わぬ誤算…「28連敗」の敏腕トレーナーに試練のトライアル
関東の敏腕トレーナーの苦戦が続いている。
3月序盤までに11勝を挙げた木村哲也厩舎だったが、9日の中山7R(3歳1勝クラス)の勝利を最後に28連敗。気が付けば約1ヶ月半もの間、勝ち星から遠ざかっている。
また、この連敗が長引いた理由の一つとして、3月30日のドバイターフ(G1)で落馬負傷し、肋骨と鎖骨を骨折したC.ルメール騎手が戦列を離れたこともあるだろう。
実は木村厩舎が今年ここまで挙げた11勝のうち10勝がルメール騎手とのコンビ(1勝は川田将雅騎手)。厩舎の屋台骨を支える名手の不在は、春のG1シーズンでも桜花賞(G1)のチェルヴィニアや皐月賞(G1)のレガレイラに鞍上問題として影を落とした。
ルメール不在が厩舎の不振に直結?
“ルメール依存症”が取り沙汰される木村調教師としても、そろそろ何らかの対策を練りたいところだが、願ってもない朗報が届いたのが先日だ。
19日に自身のアパレルブランド『CL by C.ルメール』の公式ホームページ内のブログでルメール騎手の「5月前半を目標に復帰を目指しています」というコメントが掲載。すでに日本に帰国したルメール騎手は、23日のインスタグラムにリハビリ中の動画を投稿しており、復帰に向けて順調な調整を進めているようだ。
「5月前半を目標」という言葉から、最速でNHKマイルC(G1)が開催される5月初週も想定されるものの、木村厩舎は今週末の青葉賞(G2)のことで頭がいっぱいかもしれない。
何しろ、このレースにはクラシック候補として期待されるヘデントールとマーシャルポイントの2頭がスタンバイ。あわよくばワンツーフィニッシュを決めて日本ダービー(G1)に送り込みたいと考えているはずだ。
ただ、皐月賞のレガレイラと同じく登録段階で騎乗予定騎手の名前はなし。鞍上が宙に浮いたままの状況となっているのである。ルメール騎手がいたならいずれかに騎乗したと考えられるものの、代役探しをする必要に迫られている。
「最低でも1頭は権利が欲しい素質馬です。特にヘデントールは昨年11月東京のデビュー戦でジャスティンミラノ相手に好戦している実力の持ち主。その後の中山で連勝しましたが、モノの違いを見せる強い内容でした。大物感のある馬だけに、ここでも楽勝するようならダービーでも人気の一角を占めるでしょう。
もう1頭のマーシャルポイントも潜在能力で引けを取らない期待馬です。昨年9月中山のデビュー戦こそミアネーロの2着に敗れましたが、フラワーC(G3)を勝った相手だけに悲観するほどでもありません。むしろ評価したいのは、東京の2連勝。前走のフリージア賞(1勝クラス)で2着に下したアドマイヤベルがフローラS(G2)を快勝と好メンバーが揃っていました」(競馬記者)
ダービー行きチケットを託す代役は誰になるのか
記者がそう褒めたのも無理はない走りを見せた2頭だが、ヘデントールはここまで3戦すべてでルメール騎手が騎乗しており、マーシャルポイントも前走でルメール騎手が勝利に導いていた馬だ。
図らずもいい馬に乗っているだけで勝っている訳ではないことを間接的に証明したルメール騎手の不在。一刻も早い名手の復帰を願っているのは、木村調教師だけでなく競馬ファンも同じだ。
とはいえ、何としてでも出走させたい日本ダービー行きのチケットが懸かっている青葉賞だけに、25日の正式発表を待ちたい。ルメール騎手の代役に指名されるのは、はたしてどの騎手だろうか。