「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
イクイノックスを抜いて日本馬の歴代獲得賞金ランキングで歴代トップに立ったウシュバテソーロを筆頭に「テソーロ軍団」で有名な了徳寺健二オーナー(馬主名義は了徳寺健二ホールディングス)が、ちょっとした騒動を巻き起こしたようだ。
了徳寺オーナーはドバイワールドC(G1)で2年連続連対の快挙を達成したウシュバテソーロ以外にも、昨年のチャンピオンズC(G1)と東京大賞典(G1)で2着に入ったウィルソンテソーロも所有しており、こちらは原優介騎手とのコンビで活躍中である。
フェブラリーS(G1)こそ落馬した関係で騎乗が叶わなかったものの、コンビが復活した前走のドバイワールドCでは4着に好走。世界最高峰の舞台で騎乗した経験は、原騎手にとってもかけがえのない財産となっただろう。原騎手の手腕を買っている了徳寺オーナーも「テソーロ軍団」の主戦騎手として目を掛けていたはずだった。
主戦騎手を任されるほどお気に入りだった原騎手だったが……
しかし、先週の開催で6頭の出走がありながら原騎手の騎乗機会は一度もなし。土日で5頭が東京のレースだったものの、原騎手ではなく別の騎手が手綱を取っていた。
「詳しい人なら先週の競馬を見ていて気づいたと思いますが、原騎手が突然乗らなくなったのは、了徳寺オーナーの逆鱗に触れて降板したことが理由みたい。というのも発端はニュージーランドT(G2)でデビッドテソーロの騎乗が気に入らなかったようです。
前走で逃げ切り勝ちしていた馬ですが、ゲート内で落ち着きがなく出遅れた結果、そのまま後方で大敗したことに立腹。翌日の未勝利戦のサッチャーテソーロも先行勢が残ったレースを後ろからの競馬で8着に敗れ、3番人気の支持を裏切ることになりました。
消極的に映った騎乗がオーナーの逆鱗に触れ、所有馬を預けている調教師たちに『原で予定している馬は全てジョッキーを替えて下さい』という通達があったそうです」(競馬記者)
あまりにも突然だった「鶴の一声」に戸惑いを隠せなかった調教師もいたはずだが、関係者の話によると、実はこうなる前から布石があったらしい。
それがドバイワールドCのウィルソンテソーロだという。当時、戦前のインタビューで「未来の競馬界の為にも若手の騎手を大事にしたい。ウシュバよりウィルソンが勝つかもしれませんよ」と原騎手に対する期待の大きさが感じられるコメントを出していた了徳寺オーナーだが、レース内容には不満があった様子。側から見れば4着なら大健闘のように思えたが、勝ち馬が楽に逃げ切り、大本命のウシュバテソーロも負けてしまっただけにストレスが溜まったのかもしれない。
帝王賞でウィルソンテソーロとのコンビ解消は決定済み
いずれにしても原騎手からすれば、「寝耳に水」のような降板劇といえよう。
その一方で、お気に入りだった原騎手が「NGリスト入り」したからには、替わりの騎手を探す必要も出てくる。先週の開催では木幡巧也騎手や永野猛蔵騎手らが騎乗したが、このまま主戦扱いとなるかどうかはまだ分からない。木幡巧騎手にしても、かつて主戦を任されてクビにされた過去もあるため、長続きするかどうかは微妙か。ただグロバーテソーロで勝利を挙げた点は評価されるだろう。
原騎手にとって幸いだったことは、昨年あたりから乗れる若手騎手ということで、了徳寺オーナーにそこまで依存していなかった点だ。蜜月関係にあったオーナーとの決別は残念だが、名前の売れた現在なら深刻な騎乗馬不足に陥ることはなさそう。
記者の話によると、帝王賞(G1)のウィルソンテソーロは、すでに川田将雅騎手で内定しているとのこと。本馬は元々川田騎手とのコンビで重賞を3連勝した馬のため、遅かれ早かれ乗り替わる可能性はあったらしい。
とはいえ、了徳寺オーナーは武豊騎手やC.ルメール騎手ですら「NGリスト」に入れているくらいなので、今回の原騎手の降板についても関係者からすれば、そこまで驚くことではなかったのかもしれない。