関東名門がアーモンドアイ初仔と目指す「最後」の日本ダービー! 今夏C.ルメールとデビュー予定、3年前の「超大物」が逃した舞台へ
超良血アロンズロッドがゲート試験合格!
国内外でG1・9勝を挙げた名牝アーモンドアイの初仔であり、今夏デビューを予定しているアロンズロッド(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)が10日、美浦トレセンでゲート試験に合格した。
母に引き続き管理することとなった国枝師は「やはり素質はある。ただゲートの中では子どもっぽいところがあるから、まだ練習は必要」と慎重なジャッジ。今後のプランについては「(クリストフ)ルメール騎手が乗りたいというので来週の水曜に乗ってもらって、その後は放牧」と話している。
先月の桜花賞(G1)もステレンボッシュで制した国枝師は、JRA通算1000勝以上を誇るトップトレーナーとして知られる。G1も海外を含めて23勝を挙げているが、ここまで日本ダービー(G1)を勝利した経験はない。現在69歳であり、再来年の2月をもって定年の予定となっている。
今年も悲願のダービー初優勝を目指して、管理馬のシックスペンスとサトノエピックを送り込む予定だが、仮に今年も戴冠を逃すとなると、来年が正真正銘のラストチャンスとなる。
ただ、そんな最後の年に、師の最高傑作といっても過言ではないアーモンドアイの初仔とともに、ダービーを目指すのも何かの縁か。
国枝師は今年3月に開催された「アーモンドアイJRA顕彰馬祝賀トークショー・チャリティーオークション」においても「この夏、アーモンドアイの子供アロンズロッドがルメール騎手を背にダービーに向けて華々しくデビューするので、応援よろしくお願いします」と高らかに宣言した。同馬にかけている期待値はもはやMAXだといってよさそうだ。
厩舎の先輩が立てなかったダービーの舞台へ
「国枝師とC.ルメール騎手のタッグでデビュー前から大注目を浴びた2歳馬といえば、3年前にコマンドラインがいたことが思い出されます。父ディープインパクトで母も海外G1馬という良血だった同馬は、新馬戦の1週前追い切りでも年長馬に楽々と先着。陣営から絶賛のコメントが飛び出たことで話題となりました。
その期待通りにデビュー戦とサウジアラビアロイヤルC(G3)を連勝しましたが、その後は精彩を欠いてしまい、最終的に日本ダービーの出走は逃しました。このときは国枝先生も悔しい思いをしたと思いますし、アロンズロッドにはコマンドラインの分も含めて、大いに期待したいですね」(競馬誌ライター)
「超大物」「ダービー候補」などと評されたコマンドラインは、単勝1.1倍の圧倒的支持で新馬戦を楽勝。2戦目で後の秋華賞馬スタニングローズなどを負かして初重賞タイトルを手中に収めたのだから、能力が高かったことは疑いようがない。
ただ最終的には去勢されてセン馬となったように、気性面の難しさが出世の妨げになる格好となってしまったか。そんな厩舎の先輩が進むことのできなかったダービーの舞台に立つことは、アロンズロッドにとって至上命題となってきそうだ。
来週コンタクトを取る予定であるルメール騎手は、果たしてどのようなコメントで我々の胸を高鳴らせてくれるだろうか。陣営のみならず、すべての競馬ファンにとって注目の2歳馬アロンズロッド、初陣の時が着実に近づいている。