テンハッピーローズと同じ14番人気、単勝万馬券で「4馬身差」の圧勝劇! 今春開業の「新進気鋭調教師」とG1トレーナーをつなぐ不思議な縁
先週日曜のヴィクトリアマイル(G1)は、14番人気のテンハッピーローズが勝利する大波乱。単勝万馬券の超人気薄が驚きの大激走を披露したと同時に、改めて競馬の難しさが垣間見えた結果となった。
また、先週末はテンハッピーローズの他にも14番人気、単勝万馬券の超低評価を覆して勝利を挙げた馬がいた。ヴィクトリアマイル前日の11日、京都10Rの上賀茂S(3勝クラス)で逃げ切り勝ちを収めたレガーメペスカ(牡7歳、栗東・藤野健太厩舎)だ。
14番人気、単勝万馬券のレガーメペスカが4馬身差圧勝!
同馬は今年で7歳を迎えたキズナ産駒。一昨年7月を最後に勝ち星から遠ざかっており、近4走もすべて単勝万馬券で勝ち馬から1秒以上も差をつけられて惨敗していたことから、これだけ人気薄だった。
レースでは好スタートを決めて先手を奪うも、他馬に競られて前半1000m通過タイムが61秒1秒と、決して楽なペースにはならなかった。ただ4コーナーで後続との差を広げると、最後の直線でも脚色は衰えず。最後は2着に4馬身差をつける圧勝劇を決めたのだから、意表を突かれたファンも少なくなかったのではないか。
「殊勲の立役者となった鞍上の田口貫太騎手はレース後、『調教の時から具合が良く、返し馬でもグイグイ行く感じでした。いい状態で持ってきてくれた厩舎の皆さんに感謝したいです』と、陣営に感謝していましたね。
今回のレガーメペスカは前走から約2ヶ月間隔があけられており、上手いこと立て直しに成功した結果だと思います。また今年初戦から装着したブリンカーも、ここにきて効果を発揮したかもしれません」(競馬誌ライター)
藤野調教師は今春開業の新進気鋭
この勝利でオープン入りを決めたレガーメペスカは、2019年のデビューから所属していた松永昌博厩舎が今春をもって定年で解散し、現在の藤野厩舎に移籍。今回の勝利は転厩2戦目だった。
ちなみに藤野調教師は、今年3月にデビューしたばかりの新進気鋭のトレーナー。9度目の挑戦で調教師試験に合格した苦労人でもある。開業以前は調教助手として働いており、2019年からは栗東の高柳大輔厩舎に所属していた。
そう、ヴィクトリアマイルを勝利したテンハッピーローズの管理厩舎だ。
高柳大師は藤野師にとって「目標とする調教師は、所属している高柳大輔調教師です」と調教師試験に合格した際の取材で、目標の調教師として掲げたほどの存在である。
実は両者、現在ともに46歳で同学年でもある。そんな2人が管理するレガーメペスカとテンハッピーローズが、奇しくも同じ14番人気・単勝万馬券で大波乱を演出……不思議な縁を感じずにはいられない先週末の競馬だった。