「幻のダービー馬」スキルヴィング近親が待望の初勝利!悲運の名馬を惜しむ声続々…「15戦1勝」の戸崎圭太に白星をプレゼント

戸崎圭太騎手はダービージョッキーになれるか 撮影:Ruriko.I

 オークス(G1)が行われた先週の日曜東京。同日4Rの3歳未勝利戦で単勝1.7倍の圧倒的人気に応えて初勝利を挙げたのは、戸崎圭太騎手が騎乗したヴァイザーブリック(牡3、美浦・池上昌和厩舎)だ。

 牝馬二冠のかかったステレンボッシュとのコンビで注目を集めた戸崎騎手だが、大一番のオークスで2着に惜敗。15鞍に騎乗した先週末の土日で14敗を喫した中、迷える名手に唯一の白星をプレゼントしてくれたのがヴァイザーブリックだった。

ヴァイザーブリック勝利にスキルヴィング思い浮かべたファンも

 重賞レースでもない午前中の未勝利戦ながら、ネットの掲示板やSNSでファンが盛り上がったのは、本馬の近親が昨年の日本ダービー(G1)で悲運の死を遂げたスキルヴィングだったからに他ならない。血縁的にヴァイザーブリックの母ヴァイスハイトの仔ロスヴァイセがスキルヴィングを産んでいるため、ヴァイザーブリックは年下の叔父にあたる。

 デビュー4戦目で勝ち上がったパートナーに対し、手綱を取った戸崎騎手も「追ってから左にヨレるなど課題はありますが、その辺が解消すればさらによくなりそうです」と期待のコメント。2着に惜敗した前走から時計も詰めており、今後の見通しが明るくなる勝利だったといえる。

幻のダービー馬と呼ばれるスキルヴィング 撮影:Ruriko.I

 その一方、やはり惜しまれるのは「幻のダービー馬」と呼ぶ声もあるスキルヴィングの早逝だろう。

 昨年の青葉賞(G2)を2分23秒9の好タイムで制した本馬は、「青葉賞馬がダービーを勝てないジンクス」を初めて克服するかもしれないという意味でも大きな注目が集まった。

 デビューから続けてお手馬の手綱を取り続けたC.ルメール騎手が「最後は坂を上ってからいい脚をつかうことができました」「ダービー当日はトップコンディションになっていると思います」、管理する木村哲也調教師も「この勝ち方だったら」「無事ならば」と勝ち負けを意識するコメントを残していた。

幻のダービー馬を襲った痛ましいアクシデント

 しかし、現実は時に残酷だ。夢の舞台で2番人気に支持されたスキルヴィングだが、最後の直線で失速したまま17着に大敗。ゴール入線後に1コーナー付近のコース上で倒れ、急性心不全で死亡するという痛ましいアクシデントが起きてしまった。

 これにはルメール騎手も「とても悲しい」とコメント。元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のSNSにて「ご冥福をお祈りします」と追悼し、ネット上でも「青葉賞馬がダービーを勝つところを見たかった」「シンボリクリスエス、ゼンノロブロイを超えて欲しかった」「無事なら勝てたかもしれない」と早逝を惜しむ声が多かった。

 春のG1戦線はスキルヴィングと同じ4歳世代牡馬の苦戦が続いており、「幻のダービー馬」がいればと思いを馳せるファンもいただろう。

 あれから1年……。今年のダービーは全人馬が無事に完全燃焼を見せてくれる好レースに期待したい。

GJ 編集部

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