JRA武豊「楽しみな馬がスタンバイ」函館開幕週に世界的良血デビュー! 母は凱旋門賞含む15冠ベビー、アスコリピチェーノと共通の即戦力候補

2歳新馬の追い切りに跨った武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 発走の時が迫っている今年の日本ダービー(G1)。2021年に誕生したサラブレッド約8000頭の頂点が間もなく決定する。

 展開のカギを握ることが予想されたメイショウタバルは残念ながら出走取消となった。そのため2走前の大寒桜賞(1勝クラス)を逃げ切ったシュガークンと武豊騎手のコンビが、主導権を握るのではないかといった声も聞かれている。

武豊騎手「楽しみな馬がスタンバイしたようです」

 そんな競馬の祭典・日本ダービーが終わると、翌週からは早くも2歳戦がスタート。前述の武豊騎手が調教で騎乗し、好感触をつかんでいる2歳馬がいる。それがグローサートラウム(牡2歳、栗東・武幸四郎厩舎)だ。

 ダイワメジャー産駒の同馬は、昨年のエリザベス女王杯(G1)2着、今年3月の大阪杯(G1)3着に好走したルージュエヴァイユの半弟。母のナッシングバットドリームズは父がG1・10勝のフランケル、母が凱旋門賞含むG1・5勝のデインドリームという超良血である。

 3月20日にゲート試験をクリアしたグローサートラウムは、その後も順調に調整が進められてきた。武豊騎手が跨った15日は栗東ウッドで3頭併せを行い、同じ2歳馬に先着、年長馬と併入に持ち込んだ。レジェンドは公式サイトの日記に「函館の1週目に楽しみな馬がスタンバイしたようです」と、グローサートラウムに対する期待をつづっている。

「ナッシングバットドリームズの仔はデビューした3頭がすべて勝ち上がっており、ルージュエヴァイユとデインバランスは新馬勝ちを決めるなど初戦から走れる一族です。グローサートラウムは順調に行けば来月9日、函館芝1200mで武豊騎手を背にデビューを予定しています。

ちなみに母系にデインヒルとサドラーズウェルズの血を持つダイワメジャー産駒といえば、昨年の2歳女王アスコリピチェーノや2019年の阪神ジュベナイルF(G1)を勝ったレシステンシアと同じ。即戦力候補として期待できる1頭だと思います」(競馬誌ライター)

母ナッシングバットドリームズは一昨年に他界

 デビュー戦が待ち遠しい良血グローサートラウムだが、残念ながら母ナッシングバットドリームズは一昨年8月に8歳の若さで他界している。そのため本馬が最後の産駒となり、また唯一の牡馬となった。

 ちなみに祖母デインドリームも昨年8月にこの世を去った。父ダイワメジャーは存命だが、昨年の種付けを最後に事実上の種牡馬引退となっている。

 グローサートラウムに限らず、来週からは続々と楽しみな2歳馬がデビューを果たす。日本ダービーが終わっても競馬ファンの楽しみが尽きることはない。

GJ 編集部

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