7馬身圧勝アスクシュタイン&評判馬クロワデュノール「絶好調」北村友一が武豊にそっくり!? 昨年、G1完全制覇を見据えたレジェンドが味わった現実

北村友一騎手 撮影:Ruriko.I

アスクシュタインが7馬身差で圧勝!

 11日、札幌競馬場で行われたコスモス賞(OP、芝1800m)は、2番人気のアスクシュタイン(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)が勝利。スタートから果敢にハナに立つと、最後は2着ゴーゴータカシに7馬身差をつける圧勝劇だった。

「ここでは力が違った――」

 レース後、主戦の北村友一騎手がそう振り返ったのも当然か。スタートを決めて自分の形に持ち込んだアスクシュタインは、後続をやや突き放しての単騎逃げ。3コーナー辺りでライバルたち必死に詰め寄ったが、先頭を走る本馬との手応えの差は歴然だった。

「強い競馬でした。芝1800mの逃げ切り勝ちは、函館で走ったデビュー戦と全く同じ。ただ、北村友騎手が『(1度)使って良くなっているのを感じた』とコメントした通り、時計は1:51.7から1:49.2と2.5秒も短縮しています。

この走りには(アスクシュタインを管理する)藤原調教師も『期待通り』と満足だったようで、今後はこのまま北海道に滞在して札幌2歳S(G3)を目指すことになりそうです。

また、主戦の北村友騎手にとっては、話題のクロワデュノールに続く2頭目のクラシック候補が現れたことになります。ジョッキーにとっては嬉しい悲鳴ですが、今後2頭がどういった進路を取るのかにも注目したいですね」(競馬記者)

 記者が話したクロワデュノールは、6月に東京・芝1800mで行われた新馬戦を2馬身半差で快勝。それだけなく、2着に下したアルレッキーノが次走の未勝利戦を7馬身差で圧勝したことで、その評価がうなぎのぼりになっている1頭だ。

 長期の落馬負傷から戦線復帰を果たした北村友騎手は、今春のファルコンS(G3)で約3年ぶりの重賞制覇を果たしたが、G1勝ちはクロノジェネシスと勝った2020年の有馬記念(G1)が最後。完全復活に向け、“2本目の剣”を手にしたことは小さくないはずだ。

 だが、その一方でクロワデュノールとアスクシュタインは、まだキャリアの浅い2歳馬。今後、相手が強くなった際に思わぬ脆さを見せてしまうことは、残念ながら競馬では珍しくない。

 ある記者は「水を差すようで悪いですが」と、今の北村友騎手の状況が昨年の武豊騎手に似ていると語る。

昨年はエコロヴァルツも6馬身差で圧勝していたが…

G1完全制覇が見えた武豊騎手だったが… 撮影:Ruriko.I

「今年のアスクシュタインの7馬身差も圧巻でしたが、実はコスモス賞は去年もエコロヴァルツが6馬身差で圧勝しています。そのエコロヴァルツの主戦が武豊騎手で、当時の武豊騎手のお手馬には、もう1頭ガイアメンテというデビュー戦で非常に強い競馬を見せた評判馬がいました。

ですが、エコロヴァルツこそ朝日杯フューチュリティS(G1)で2着と頑張ったものの3歳クラシックでは7着、8着。日本ダービー(G1)では武豊騎手が青葉賞(G2)を勝ったシュガークンに騎乗したことで岩田康誠騎手が騎乗していました。

ガイアメンテに至っては、デビュー2戦目の札幌2歳Sで1番人気に推されたものの6着に惨敗……。現在は1勝クラスで連敗して休養中です」(別の記者)

 記者曰く、昨年のこの時期は武豊騎手が有望な2歳馬2頭を手にしたことで、12月のホープフルS(G1)を残すのみとなっているJRA・G1コンプリートへの機運も高まっていたという。

 しかし、その後2歳王者ジャンタルマンタルや、皐月賞馬ジャスティンミラノを始めとした有力馬が次々と頭角を現し、エコロヴァルツとガイアメンテはそれらの壁に跳ね返されてしまった。

「最後まで脚もしっかりしていましたし、ここでは力が違ったと思います」

 アスクシュタインの圧勝劇に大きな手応えを掴んだ北村友騎手。だが、アーモンドアイの仔として注目されるアロンズロッドを筆頭に、有望な2歳馬のデビューはまだまだこれからだ。

 果たしてアスクシュタイン、そしてクロワデュノールの力は“ホンモノ”か。自身の完全復活へ、北村友騎手の戦いはこれからが本番になっていく。

GJ 編集部

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