C.ルメール「菊花賞」相棒は第2のドゥレッツァ!? 「長距離の重賞を狙えます」単勝1.6倍ヘデントール3馬身半差で古馬を一蹴
目指せ菊花賞!3歳馬ヘデントールが古馬を一蹴
17日、新潟競馬場で行われた日本海S(3勝クラス、芝2200m)は、1番人気のヘデントール(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)が勝利。前走の町田特別(2勝クラス)からの連勝で、一気のオープン入りを決めた。
「今日は楽勝でした――」
主戦のC.ルメール騎手が思わずそう振り返るほどの独壇場だった。9頭立てで行われたレースで単勝1.6倍の支持を集めたヘデントールは、スタート直後こそ右にヨレるシーンがあったものの、ペースが上がらなかったこともあって難なく好位へ。1000m通過61.9秒のスローペースだったが、ルメール騎手が「落ち着きがあるので、普通のペースなら乗りやすい」と評価している通り、しっかりと流れに乗れていた。
最後の直線を迎えたヘデントールは、残り200mで先頭集団を交わして先頭に躍り出ると、見る見る後続を突き放していく。結局、ルメール騎手がムチを入れたのは抜け出してから気を抜かないようにした数発だけ。最後は流し気味にゴール板を通過し、2着ナイトインロンドンに3馬身半差をつける完勝をきめた。
ルメール騎手「長距離の重賞を狙えます」
「非常に強い内容でした。レースは1000m通過61.9秒のスローペースだった分、ラスト1000mが57.5秒というロングスパート合戦。ルメール騎手も『長く脚を使って伸びてくれた』と評価していましたが、そんな流れの中でも1頭だけ他馬とは全く異なる脚色でしたね。
残念ながら春は青葉賞(G2)で敗れてしまったため、日本ダービー(G1)には出られませんでしたが、クラシックで上位争いをしてもおかしくない馬。これで賞金の上積みにも成功しましたし、秋の菊花賞(G1)でルメール騎手が乗っているのは、この馬のような気もします」(競馬記者)
ちなみにルメール騎手は、今年の牡馬クラシック戦線でこれといったお手馬がいない。皐月賞(G1)はドバイ遠征で落馬した影響で騎乗することができず、日本ダービーで騎乗したレガレイラは牝馬で、秋は秋華賞(G1)へ向かう見込みだ。
そうなってくると、この日ルメール騎手から出た「長距離の重賞を狙えます」という言葉は、秋の菊の大輪を見据えての発言と取れなくもない。ちなみに昨年、ドゥレッツァとのコンビで菊花賞を勝利しているルメール騎手だが、そのステップレースだったのが、この日本海Sである。
また、ヘデントールを管理するのはイクイノックスなど、ルメール騎手とは蜜月の間柄にある木村調教師。ダービー馬ダノンデサイルが待つ牡馬クラシック最終戦だが、ドゥレッツァがダービー馬タスティエーラを破った昨年の再現が起こるかもしれない。