【オークス(G1)予想】リバティアイランド「2冠は厳しい」と見て押さえまで。ジンクス込み込みの穴馬から攻める

 今回は牝馬3冠の第2戦にして3歳牝馬の頂点を決するオークス(G1)を予想していく。

 まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
桜花賞 16頭
フローラS 7頭
忘れな草賞(L、OP) 3頭
皐月賞、フラワーC、スイートピーS(L) 各1頭
条件特別(1勝クラス) 1頭
となっている。何はともあれ前走・桜花賞組から狙うのが無難と言えば無難か。印象よりトライアルのフローラS組も大健闘している。逆に同じトライアルでもリステッドのスイートピーS組は苦戦傾向。ここに挙げた上位3つのレースから絞るのが基本形になっていくのだと考えている。

 続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 5-2-1-2
2番人気 1-2-3-4
3番人気 3-0-1-6
4~6番人気 0-3-3-24
7~9番人気 1-1-0-28
10番人気以下 0-2-2-83
となっている。1番人気は鉄板級の堅さ。ただし、昨年と一昨年は馬券圏外に飛んでいるので、傾向として見るとやや怪しいところがある。3番人気がアテにしづらいように見えるが、昨年、一昨年と連勝しているので、こちらも傾向として見ると案外買える。注意したいのは19年以降、毎年10番人気以下が馬券に絡んでいること。前哨戦を勝っていても相対的に人気が落ちている馬であれば要検討だろう。


 これを踏まえて「◎」は大外18番イングランドアイズとする。

 前走はフローラS(G2)。スタートで出遅れて後方待機策を強いられる。逃げ馬が緩いペースを作り出す中で追走し、直線では最後方から大外に出されて上がり最速の脚で猛然と追い込んだが届かず4着となった。

 2戦目のクイーンC(G3)と前走は出遅れて後方待機策を強いられ、上がりだけで競馬してどちらも4着となっている。前走は0.5秒差とそれなりに着差もつけられたが、クイーンCでは4着ながら着差は0.1秒の接戦。勝ったのが今回人気するであろう、ハーパーであることを考えると実力のほどはうかがえる。

 このレースはとにかく前が残らないレースである。4コーナー2番手3番手あたりでは、残ったケースもないではないが、かなり厳しいと言える。その点、出遅れているとは言え、この馬は後ろからの競馬に慣れており、一発逆転の目がないではないだろう。

 強いて言うなら父がキングマンで短距離に実績がある点。ただ、これも母親がオークス馬であることを考えれば相殺されている可能性は十分考えられる。大外枠不利と思われがちだが、オークスでは健闘しており、3枠や6枠より成績もいい。これらを考慮して敢えての本命としたい。

コナコースト 撮影:Ruriko.I

「○」は9番コナコーストを挙げる。

 前走は桜花賞(G1)で、好スタートから逃げ馬を前に見る2番手を追走。緩みのないペースで流れる中、そのまま直線に向くと逃げ馬を交わして先頭へ。ただ、後ろから異次元の脚で追い込んできたリバティアイランドに交わされて2着に終わった。

 桜花賞に関しては「勝った馬が強すぎた」の一言に尽きるだろう。むしろ評価したいのは、2走前のチューリップ賞(G2)で、桜花賞同様にモズメイメイが逃げる展開を中団より前目から追い込んで2着となっていることだ。この時は上がり3位ながら33.7秒といい脚を使っている。

 3走前も逃げ馬にまんまと逃げ切られて2着に終わっているが、この時も上がり33.6秒と優秀なタイムをマークし、後にフィリーズレビュー(G2)を勝つシングザットソングを抑えている。

 今回も前に行きたい馬はいるだろうが、前目につけても残りにくいこのレース。桜花賞では2番手追走だったが、チューリップ賞同様のレースができればこちらも逆転の目はあると考えている。さらに父が大ブレイク中のキタサンブラックということで、血の勢いも後押しするはずだ。

エミュー 撮影:Ruriko.I

「▲」は15番エミューを推す。

 前走は桜花賞。上手くスタートを切るとそのまま下げて後方待機策に。若干ポジションを上げたところで直線に向かい、いい脚を使うも伸びきれず10着に敗れている。

 デビューは昨年9月の中山1600m戦で4着と掲示板は確保。3戦目で未勝利を脱出し、1勝クラスで足踏みするも2戦目の1勝クラスを勝利、さらにそのままフラワーC(G3)も勝利した重賞ウィナーである。

 個人的に言わせてもらえば桜花賞出走は見送ってほしかったところ。フラワーC1着の実績で臨めば、もっと印を上げてもいいくらいデータ的には目があったからだ。陣営は「位置取りを探しながらのレースになってしまった」と前走を振り返りつつ「反動もなく順調」とのコメント。血統や走り方から距離はこなせるはずとしている。

 連勝を飾ったのはどちらも1800m戦であり、距離が延びた方がいいのは確かなよう。前走、2走前とどちらも後方からの競馬をしているが、中団からでもレースを進められる自在性があり、上がりタイムを見ると中団からの競馬の方が向いているように見える。また、好成績を残してきた7枠を引いたのも好材料。一発を期待できる1頭だ。


「△」は穴馬3番キタウイング、10番ソーダズリング、そして大本命の5番リバティアイランドの3頭とする。

キタウイング 撮影:Ruriko.I

 キタウイングの前走は桜花賞で、出遅れもあって後方待機策に。結果的に直線でも伸びずに12着に敗れている。

 リバティアイランドのG1・2勝を除けば重賞を2勝しているのはこの馬1頭。人気はないが実力は相応にあるのは確か。だが、チューリップ賞といい前走といい良いところなしで敗れており、どれほど調子を戻してきているのかがポイントとなろう。

 好材料と言えば、阪神ジュベナイルF(G1)を除くとすべてのレースで上がり2位以内の脚を使っており、6戦のうち4戦で33秒台をマークしている。出遅れグセがあるせいもあるのだろうが、後方からの競馬が板についてきた印象。このレースでは、それがいい方に出る可能性もある。

 枠順も過去10年で3勝の2枠と好枠を引いた。父ダノンバラードが長距離に実績がない点は気がかりだが、本サイトのこの記事にあるように、今年のG1は開催場のある方のトレセン所属馬が勝利し続けているというデータがある。これもあながち侮れず、昨年のG1 ・1番人気連敗と重なるところがある。そんなデータの後押しも込みで関東馬を押さえてみた。


 ソーダズリングの前走はフローラSで、ポンと出て中団より前目の3~4番手を追走。逃げ馬が残る展開で、内を突いて追い込んだものの届かずの2着だった。

 2月の阪神1800m未勝利戦でデビューして2着。翌月に同距離同コースの未勝利戦を勝ち上がり、前走は3戦目。陣営も勝ちを確信していたようだが、あとは交わすだけの部分で交わしきれなかった。今回は鞍上が武豊騎手に戻るので、そこに期待をしているようだが、レジェンドは意外にオークスと相性が悪く、勝ち鞍は96年の“女帝”エアグルーヴの勝利以来遠ざかっている。

 過去10年で3勝2着2回と、最も相性がいい5枠を引いたのは好材料。前走は積極策だったが、本来の中団からの競馬ができれば、こちらも一発の可能性はあると見ている。


 リバティアイランドに関しては言うことが特にない。圧倒的な人気に推されるのは間違いなく、またそれに見合った前走の圧巻の勝利で、2冠達成と見ている人も多いのではないだろうか。

 強いて死角を言うなら、3枠を引いたこと。過去10年で3着が2回出ているだけで相性の悪い枠である。血統面では父ドゥラメンテの産駒は長距離もこなしているが、母系が中距離までと距離の限界がありそうなところで、これがどちらに転んでいるかという部分か。

 昨年はスターズオンアースの2冠はないと予想で言い放って見事に2冠を獲られてしまった。これだけ人気しており、かつそれを裏付けるだけのパフォーマンスは見せているので押さえはするが、個人的には2冠は結構厳しいのではないか、と思っていたりはする。


 人気どころでは12番ハーパーを切り。

 これは実績云々ではなく、ごく単純な理由で過去10年に馬券圏内に入った馬が1頭もいない「死枠」とも言える6枠を引いたから。これだけの理由なので、馬券圏内に来たらごめんなさいではあるが、こういうジンクスは意外に生き続けるものである。

 ということで、今回は3番、5番、9番、10番、15番、18番の6頭で3連複BOX20点勝負とする。リバティアイランドが順当に2冠達成となると間違いなくトリガミになるだろうが、上から印通りなら万馬券も夢ではない。

トーラス神田

オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。

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