武豊、C.ルメール、川田将雅らに「主役」譲らん!? 「想像以上」「最高の競馬」調教師たちも大絶賛の横山典弘ら関東ベテラン3人衆に逆襲の気配

横山典弘騎手 撮影:Ruriko.I

「あの位置からは圏外だと半ば諦めていた。想像以上の脚を見せてくれました」

 9日、注目の秋華賞トライアル紫苑S(G2)で武藤善則調教師を驚かせたのは、モリアーナと横山典弘騎手だ。

 4コーナー14番手は師が半ば諦めるほど絶望的な位置取りだったが、そこから上がり3ハロンで次点に0.7秒も差をつける豪脚を繰り出しての逆転勝利。最後の直線で馬群を巧みに捌いた鞍上の手綱も冴えわたった。

 この勝利でJRAの最年長重賞勝利記録を更新した横山典騎手は、意外にもこれが今年の重賞初勝利。それだけでなく前週の札幌2歳S(G3)で2着、さらに紫苑Sの翌日に行われたセントウルS(G2)でアグリを2着に導いた際は「前哨戦としては最高の競馬をしてくれました」と安田隆行調教師が騎乗ぶりを絶賛している。秋のG1戦線開幕に向け、関東の大ベテランが調子を上げてきた印象だ。

松岡正海騎手 撮影:Ruriko.I

 また、セントウルSと同日に行われた京成杯オータムH(G3)で気を吐いたのが、同じく関東のベテラン松岡正海騎手だ。

 11頭立てのレースで、2番手につけた松岡騎手とウイングレイテストは「3コーナーで股下から後ろをのぞいたら、(勝ち馬の)ソウルラッシュが見えて。『並ばれたら駄目だ』と思って先に動いた」という早めスパート。開幕週の馬場を味方につけ、ゴール前まで粘り込んだが、最後は惜しくもソウルラッシュの切れ味に屈した。

 松岡騎手といえば、かつて香港で大活躍したウインブライトとのコンビが有名。しかし、2020年2月の落馬事故などで長期離脱。一時は引退説まで流れた。

 その後、ようやく復帰したものの昨年は14勝に終わるなど、かつての輝きを失っていたが、ここに来て復調気配。先月のキーンランドC(G3)で8番人気のシナモンスティックを2着に持ってくると、先週の京成杯AHでは惜しくも今年の重賞初勝利を逃し「さすがに悔しい。眠れないよ」と思わず本音が露わに……。ファン恒例の“松岡節”まで復活するなど、ここに来て本来の勝負強さが戻りつつあるようだ。

北村宏司騎手 撮影:Ruriko.I

 関東ベテランジョッキーの復活といえば、北村宏司騎手も今夏に強烈なインパクトを残した1人だろう。

 先月の新潟2歳S(G3)をアスコリピチェーノで勝って、2018年の関屋記念(G3)以来、約5年ぶりの重賞制覇を飾った北村宏騎手。それだけでも十分に復活と言えるかもしれないが、さらにその翌週にもノッキングポイントで新潟記念(G3)を制覇し、新潟の競馬ファンを虜に。度重なる落馬事故に加え、所属していた名門・藤沢和雄厩舎が解散するなどで長く低迷した印象だったが、ここにきて大きく存在感をアピールしている。

 現在もトップ10の内8名を関西勢が占めるなど、ジョッキー界はずっと西高東低の時代が続いている。今秋のG1戦線もC.ルメール騎手や川田将雅騎手、武豊騎手といった関西のトップ騎手が主役を務めることになるが、復活を遂げた関東のベテラン騎手たちが「大仕事」を成し遂げる気配が漂ってきた。

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

関連記事

JRA最新記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 17:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS