横山典弘不在でも「例のプール調教」は効果抜群!好走光る穴馬は高松宮記念で不気味な存在…「まともな追い切り」なしでも成績安定

横山典弘騎手 撮影:Ruriko.I

 世界最高峰の賞金を誇るサウジC(G1)が開催された先週末。国内では中山記念(G2)と阪急杯(G3)が行われ、前者は横山典弘騎手の騎乗したマテンロウスカイ、後者は松山弘平騎手の騎乗したウインマーベルが勝利した。

 過去5勝を挙げていた好相性のレースで7番人気の伏兵だったマテンロウスカイを勝利に導いた横山典騎手だが、中山記念6勝はもちろん現役最多。現在は関西を拠点にしているとはいえ、元々は関東の騎手だけに華麗な手綱捌きが光った。

 勝利騎手インタビューで「嬉しいですね。幹夫のところでオーナーが千代乃さんで、よかったです」と話していたように、マテンロウスカイを管理する松永幹夫調教師とは、師が現役騎手時代から続く親密な関係。同馬を所有する寺田千代乃オーナーもまた、横山典騎手に全幅の信頼を寄せる恩人でもある。23日に56歳のバースデーを迎えた大ベテランだが、まだまだトップジョッキーとして活躍に期待出来そうだ。

中山記念最多勝の大ベテランも気になるもう1頭のお手馬

 ただ、この日の横山典騎手には、阪急杯でも気になるお手馬がいた。

 その相手とは、6戦連続で手綱を任されていたサンライズロナウド(牡5、栗東・安田隆行厩舎)である。本馬を管理する安田隆師が3月に定年を迎えるため、両者がコンビを組めるのもあとわずか。横山典騎手としても体が2つ欲しい心境だっただろう。

 主戦騎手の不在を懸念されたものの、代打を任された古川吉洋騎手も期待に応える好騎乗を見せた。上位2頭は1番人気と3番人気の堅い決着に終わったが、9番人気のサンライズロナウドを3着に導いて波乱を演出した。

 その一方で、気性の粗さが災いしてまともな追い切りが困難な本馬をプール調教主体でしっかりと仕上げた厩舎の努力は特筆に値する。デビュー当初から前進気勢の強さと燃えやすい気性がネックとなり、サンライズロナウドは潜在能力の高さをレースで発揮できないこともあった。

 しかし、5歳春を迎えても去勢することなく、伸び伸びと走らせている厩舎の手腕は素晴らしい。

「阪急杯の追い切りでも“例のプール調教”でしたね。現在のスタイルになったのは、確か昨年7月の長久手特別(2勝クラス)頃だったと思います。横山典騎手とコンビを組んだのもこのレースからでしたね。乗り難しい馬だからこそ、厩舎も折り合いに定評のある名手を起用したのでしょう。それまで坂路で仕上げていたため、運動量に少々不安もありましたが隙のない仕上がり。初コンビで問題なく勝利を挙げました。

厩舎としても思い切った判断だったと思いますが、横山典騎手なら新たな一面を引き出してくれるのではないかという期待もあったはずです。距離短縮の進言も功を奏し、脚質転換で鋭い末脚も引き出しました。こういった陣営の努力を無駄にすることなく、代打を任された古川吉騎手も大役を果たしましたね」(競馬記者)

 おそらく次走から横山典騎手とのコンビ復活が濃厚なサンライズロナウドだが、敗れたとはいえ阪急杯の走りは見どころ十分。前半がハイペースで流れたものの、結果的には前残りの決着だった。

 開幕週の馬場で逃げ先行馬に有利な展開を思えば、上がり3ハロン最速の末脚で勝ち馬に0秒1差まで迫った走りは重賞級。もし高松宮記念(G1)に出てくるようなら不気味な存在となりそうだ。

GJ 編集部

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