【大阪杯(G1)展望】低レベル化懸念も…G1馬5頭含む重賞ウイナー17頭が登録!主役タスティエーラは「アノ騎手」とコンビ復活

タスティエーラ 撮影:Ruriko.I

 31日、阪神競馬場では大阪杯(G1)が開催される。前日のドバイワールドカップデーにドウデュースやリバティアイランドなど国内の一線級が出走するため、低レベル化も懸念されたが、果たしてどんな顔触れとなるのか。早速展望していこう。

 中心は昨年の日本ダービー(G1)を制したタスティエーラ(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 昨年は皐月賞(G1)で2着に敗れたものの、続くダービーで世代の頂点に立つと、ぶっつけで臨んだ菊花賞(G1)でも2着に入り、牡馬三冠全てで連対を果たした。

 その後は古馬と初対戦の有馬記念(G1)で上位人気の一角を担ったが、最後の直線で両側から挟まれ6着に敗退。鞍上を務めたR.ムーア騎手が「馬の状態はすごく良かった」というだけに悔やまれるアクシデントとなった。

 その後はいつも通りノーザンファームしがらきで調整。今年の初戦はもともとドバイシーマクラシック(G1)を予定していたが2月に辞退して方向転換。メンバーが手薄となりそうな大阪杯で復権を狙う。

 近3走は外国人騎手が手綱を取っていたが、今回は弥生賞ディープインパクト記念(G2)と皐月賞でコンビを組んだ松山弘平騎手に白羽の矢が立てられた。メンバー唯一のダービー馬として、ここであっさり負けるわけにはいかない。

ソールオリエンス 撮影:Ruriko.I

 昨年の皐月賞でそのタスティエーラを子供扱いしたのがソールオリエンス(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。

 新馬、京成杯(G3)、皐月賞と無傷の3連勝でクラシック1冠目を獲得。その時点で世代の絶対的主役に躍り出た。続くダービーでも1番人気の支持を得たが、タスティエーラにクビ差で惜敗。さらに菊花賞、有馬記念でも先着を許し、直接対決は1勝3敗となっている。

 また、昨秋以降のパフォーマンスも褒められたものではない。セントライト記念(G2)ではレーベンスティールに完敗といえる内容で2着。菊花賞ではドゥレッツァに0秒9差をつけられ3着に敗れた。さらに有馬記念でも末脚不発で8着に終わると、前走の中山記念(G2)も4着と凡走が続いている。

 特に前走の中山記念は条件良化とみられた1800mと渋った馬場でまさかの馬券圏外。後方から上がり3ハロン最速の末脚を使っていたものの、クラシックホースとしては不甲斐ない敗戦だったといえるだろう。

 皐月賞以来の勝利を目指して、陣営はこの中間にブリンカーを装着するなど試行錯誤している。鞍上には菊花賞以来となる横山武史騎手を配し、復活への足掛かりをつくりたいところ。

 ダービー以降はタスティエーラにやや水をあけられた印象もあるが、2000mなら簡単には負けられない。ひと叩きされて、変わり身を見せられるか。

ベラジオオペラ 撮影:Ruriko.I

 タスティエーラ、ソールオリエンスと同世代のベラジオオペラ(牡4歳、栗東・上村洋行厩舎)はダービー以来のG1出走で一発を狙う。

 昨年はデビューから無傷の3連勝でスプリングS(G2)を制覇。皐月賞では3番人気に推されたが、道悪もこたえたか10着に敗れた。

 続くダービーでは9番人気と評価は急落。伏兵の1頭としてレースを迎えたが、上位4頭が同タイムという激戦の中、4着に好走し、改めてその実力を示した。

 秋は菊花賞を最大目標に掲げていたが、夏の酷暑で体調が整わず。菊花賞を見送って12月のチャレンジC(G3)で復帰した。

 3歳馬ながら年長馬と同じ57kgを背負っての一戦。ガイアフォースやボッケリーニという歴戦の古馬に交じって3番人気に支持されると、ボッケリーニとのデッドヒートをハナ差で制し、重賞2勝目を飾った。

 そして迎えた今年初戦の京都記念(G2)は僅差の2着に敗れたが、始動戦としてはまずまずの内容。ロードカナロア産駒だけに、前走から1ハロンの距離短縮はプラスに働くはずだ。


 タスティエーラを中心とした4歳馬に対して、層の厚さでは5歳馬も負けていない。

プラダリア 撮影:Ruriko.I

 京都記念でベラジオオペラを破り、重賞3勝目を飾ったのがプラダリア(牡5歳、栗東・池添学厩舎)だ。

 同レースではベラジオオペラより1kg重い斤量を背負っての勝利。同斤量になる今回はその差をさらに広げてもおかしくないだろう。1週前の追い切りでも軽快な動きを披露しており、状態は文句なし。池添謙一騎手×池添学調教師による兄弟G1制覇の可能性も十分考えられる。


 国内のレースで「6-2-1-1」の好成績を残しているローシャムパーク(牡5歳、美浦・田中博康厩舎)も勝ちを意識できる素材の持ち主だ。

 前走の香港C(G1)は8着に敗れたが、出遅れて後方からの競馬になった上に前残りの展開ではなすすべがなかった。

 国内では2走前のオールカマー(G2)でタイトルホルダーに完勝するなど、まだ底を見せていないだけに、初の関西遠征を無難に乗り切れば、面白い存在となるだろう。


 エピファニー(牡5歳、美浦・宮田敬介厩舎)も早くから将来の飛躍が期待されていた1頭。4走前のケフェウスS(OP)でマークした1分57秒2(芝2000m)の走破時計は登録メンバー中トップタイ。時計勝負になれば大駆けがあっても驚けない。


 2017年のG1昇格後、牝馬はラッキーライラックとレイパパレの2頭が勝利しているが、今年も牝馬にチャンスがありそうだ。

 ハーパー(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)は、前走の有馬記念で9着に敗れたが、オークス(G1)2着、秋華賞(G1)とエリザベス女王杯(G1)で3着と、牝馬限定戦では常に善戦している。休み明けでも動けるタイプだけに牡馬が相手でも軽視は禁物だ。


 ミッキーゴージャス(牝4歳、栗東・安田翔伍厩舎)は、昨年のオークスで14着に大敗したが、それ以外は崩れていない。昨年の秋から3連勝中で、前走の愛知杯(G3)も好タイムで快勝している。展開が向けば、自慢の末脚が炸裂しても不思議ではない。


 この他には昨年のヴィクトリアマイル(G1)以来の実戦となる秋華賞馬のスタニングローズ(牝5歳、栗東・高野友和厩舎)、2年前の皐月賞馬ジオグリフ(牡5歳、美浦・木村哲也厩舎)、除外対象ではあるが、出走が叶えば上位人気に推されそうなロードデルレイ(牡4歳、栗東・中内田充正厩舎)など、実力伯仲の好メンバーがそろった。

 4歳世代が低レベルのレッテルを剥がすことができるのか。1つ上の“イクイノックス世代”が層の厚さを見せつけるのか。注目の大阪杯は31日15時40分に発走を予定している。

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