【皐月賞】ジャンタルマンタルは距離不安!? レガレイラはゲート難? 若さが目立つシンエンペラー「3強」に不安要素が露呈…ライバルたちも上位進出チャンスあり【現場マル秘情報】

ジャンタルマンタル 撮影:Ruriko.I

皐月賞直前、現場「生」情報!

 14日に中山競馬場で開催される皐月賞(G1)。朝日杯フューチュリティS(G1)勝ち馬ジャンタルマンタル、ホープフルS(G1)を勝ったレガレイラなどG1馬が2頭出走。これらにくわえ、重賞ウイナーが6頭、さらに無敗馬も3頭が出走を予定している。

 だが、人気上位が予想されるジャンタルマンタルは、前走の共同通信杯(G3)でジャスティンミラノに1馬身半離されての2着。川田将雅騎手が今後を見越して、我慢させる競馬をしたことで最後まで脚が使えていたのは好材料だったものの、関係者は「見た目以上に走りに力みがあるため、距離が延びる点がプラスに働くとは考えづらい」と語る。

 また牝馬による76年ぶりの優勝を目指すレガレイラも不安要素がある。まず、母馬ロカ同様にゲート難。意識して稽古しているようだが、一朝一夕で身につくものではないようだ。

 さらに関係者によれば「能力はあるものの、見た目以上に乗りづらいタイプ」とのこと。今回はC.ルメール騎手が戦線離脱しているため、北村宏司騎手に白羽の矢が立った。すでに稽古でコンタクトは取っているが、本番の道中で折り合いを付けられるかはやってみないとわからない。

 2頭の対抗として考えられているのが、ホープフルSで2着だったシンエンペラー。凱旋門賞馬ソットサスの全弟としてデビュー前から注目されてきたが、その走りには若さが目立つ。

 素質の高さは誰もが評価するものの、ホープフルSではレガレイラに完敗。今年の始動戦である弥生賞ディープインパクト記念(G2)では3角から4角でバランスを崩すなどして2着。管理する矢作芳人師は「馬場の悪いところを通った」とフォローするも、これまでの走りを見る限り、小回りの中山が向いているとは言い難い。

 実績、評価ともに十分の3頭が盤石とは言いづらい状況で行われる皐月賞。今年の牡馬クラシック第1戦は、いつになく混迷を極めているようだ。

しかし、だからこそ、他のライバルたちはこの間隙を突くべく燃えている。

伏兵台頭の予感アリ?


 まず毎日杯(G3)で圧巻の走りを見せたメイショウタバル(牡3歳、栗東・石橋守厩舎)。高いポテンシャルを評価されるも、これまでフレグモーネや挫跖など故障に泣かされていたが、ついに前走でその能力が開花した。

「順調そのもの。稽古でも『やればいくらでも動くので速い時計も出る』とスタッフも苦笑するほどでした。ゴールドシップ産駒らしい粗削りな走りが魅力ですし、今の中山の馬場状態も向いているでしょうね」(栗東関係者・A)

 ただ父馬同様、この馬も紙一重の気性面。良い方に転がればいいが、悪い方に転がると折り合い面などにも不安が出てくるだろう。当日、パドックや返し馬で様子を見たほうがよさそうだ。


 共同通信杯の覇者・ジャスティンミラノ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)の前には“中山競馬場”という舞台が立ち塞がる。

 新馬戦、共同通信杯を2連勝。跳びが大きいダイナミックなフォームが魅力で、操作性も問題なし。両レースとも鞍上のエスコートに応え、最後までしっかりと脚を使えていた。だが裏を返すと、このフォームが中山競馬場には不向きという声もある。

「今回はコーナー4つの中山2000、そして多頭数です。これまでとはペースも違います。ゆったりと走れる東京の方が向いているでしょう。自分のリズムで運べるかが鍵になるでしょうね。操縦性がいい点と能力の高さでカバーしてほしいのですが……」(栗東関係者・A)

 不得手だと思われる舞台で、どこまで能力を発揮できるか。


 先週の桜花賞(G1)をステレンボッシュで勝利したJ.モレイラ騎手を鞍上に迎えたコスモキュランダ(牡3歳、美浦・加藤士津八厩舎)。

 前走の弥生賞ディープインパクト記念では、出遅れて序盤こそ後方だったものの、M.デムーロ騎手が早目の仕掛けを見せ、勝負どころで2番手に進出。直線で先頭に立つとシンエンペラーの追撃をしのぎきって優勝を飾る。まくって勝ちに行く強い競馬で、レースレコードを記録してみせた。

「前走は素晴らしいの一言。スタッフ一同も、予想以上の能力と成長を感じると驚いていました。今回、ライバルは強化されていますが、状態面は非常によく、ここでも十分通用する力は持っているでしょうね」(美浦関係者・B)

 かつては弥生賞から皐月賞へ向かうローテーションは、王道として知られていた。だが近10年はこのローテを使われた馬は2着馬が5頭、3着馬2頭がいるものの、勝った馬はいない。久しぶりの弥生賞組V達成なるか。


 ダノンデサイル(牡3歳、栗東・安田翔伍厩舎)はここに来てメキメキと成長している。

 これまで4戦して京成杯(G3)を含む4戦2勝。このいずれにもベテラン横山典弘騎手が鞍上を務め、丁寧に競馬を教え込んでいた。その甲斐あって、デビュー当初は口向きや普段の所作に若さが目立っていたが、確実に良化しているという。

「京成杯で賞金を加算できたことで、ゆとりのあるローテが組めましたね。そのお陰で中間の放牧に出して成長を促すことができ、全体的にしっかりしてきました。まだ伸びしろはあるものの、現状でどれくらいの走りができるのかも見ものです」(栗東関係者・B)

 京成杯から皐月賞へのローテーションは昨年の覇者ソールオリエンスと同じ。本番と同じ舞台を経験し、さらに勝っているという強みを生かしたいところだ。


 若葉S(L)を快勝したミスタージーティー(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)は決め手を武器に上位を狙う。

 デビュー戦、ホープフルS、共同通信杯と坂井瑠星騎手が騎乗していたが、前走から藤岡佑介騎手にスイッチ。その期待に応え、若葉Sを快勝。皐月賞へと歩を進めた。

「負けた2戦はイレ込みすぎたため、スタートで後手に回ってしまったのが痛かった。でも、敗因が明らかなのでスタッフ一同、悲観はしていないようです。

 前走、藤岡佑騎手はミスタージーティーの調教から騎乗し、しっかりと馬の特徴を掴んだようです。この中間も稽古から跨ってもらっているので、さらに上積みも見込めるでしょうね。中山はホープフルSで経験しているので慣れが見込めますし、平常心で挑めれば……」(栗東関係者・C)

 弟・藤岡康太さんを亡くしたばかりのG1騎乗になるが、藤岡佑騎手の手腕への期待は大きい。

 春の嵐が吹き荒れる気配が漂う皐月賞。今年、どの馬が歴史に名を刻むのだろうか? 発走は15時40分を予定している。

GJ 編集部

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